ソ連時代のコメディ映画「ジェントルメン・オブ・フォーチュン」(幸運の紳士たち)のエフゲニー・レオーノフが語った泥棒の人生の原則を思い出す。「盗んで、飲んで、刑務所へ。ロマン!」–映画は面白いコメディだが、現実ではそうはいかない。
北方領土・択捉島クリリスク(紗那)の住民は、この原則に従って生涯を生きてきた。刑期を終えた後、しばらく自由の身だったが、再び法律を破り、白鳥のように「故郷」に舞い戻った。
窃盗罪で何度も有罪判決を受けた市民Sh.は、今年の春にサハリンのスミルヌイフ地区の刑務所から釈放され、定められた期間(3日間)内に択捉島クリリスクに到着し、内務省に月4回出頭して登録することになっていた。夜10時以降に家を出ることや、アルコールを販売する店に行くことも禁じられた。
しかし、Sh.は出所後、スミルヌイフに留まり、択捉島までの旅行のために与えられたお金を浪費した。ポケットにお金がなくなったとき、彼は飲み仲間からカードを借りて、そこからかなりの金額を引き出した。Sh.は拘留されたとき、抵抗し、警察に暴言を吐いた。
法廷審問で、男は罪を認め、いつものように感情を表に出さずに刑罰に耐えた。窃盗に対する刑罰に加え、正当な理由なく指定の住所に出頭せず、行政監督を故意に回避したとして、択捉島を管轄するクリル地方裁判所から実刑判決を受けた。
Sh.は合計で2年9か月間、慣れ親しんだ場所で過ごすことになる。
同裁判所の広報は「Shは法を遵守するライフスタイルを送ることを望まず、法を破ることに積極的な姿勢をとっており、社会に対する危険を増大させ、以前の刑罰の矯正効果は不十分であった。裁判所は、被告にロシア連邦刑法第73条の規定である執行猶予刑を適用する根拠を見つけられず、有罪判決を受けた人物の矯正は社会から隔離された状況でのみ可能であり、それが社会正義の目標に一致すると判断した」と判決についてコメントした。(択捉島の地元紙「赤い灯台」2024/11/22)