北方領土・歯舞群島の勇留島近くの「無名の2の島」にロシア名が付けられる

歯舞群島の話題

地方公共財団「サハリン文化財団」が小クリル列島(色丹島と歯舞群島)の2つの島に名前をつける取り組みが、サハリン州議会の国家建設・規制・地方自治委員会の会議で検討された。

州議会の広報によると、同財団は小クリル列島の島(座標:北緯43° 25.16’、東経146° 05.55’)の1つに「ニコライ・カサトキン」という名前をつけることを提案している。草に覆われたこの島の面積は約0.71ヘクタール。2016年8月から9月にかけて、この島は探検隊によって調査された。

ニコライ・カサトキン(イヴァン・ドミトリエヴィチ・カサトキン、1836-1912)は、ロシア正教の大主教、宣教師、日本正教会の創始者、ロシア日本研究の優れた創始者、公人、民族学者、国家のために功績を残した。

注)日本ではニコライ堂のニコライとして知られる。

日本に奉仕していた間、小クリル列島の色丹島に住む正教徒のクリル人(※千島アイヌ)の世話をした。1970年に使徒に匹敵する聖人として讃えられた。

同財団は、サハリン州内に同様の名前の地理的対象物がないことを指摘。新しい名前はロシア地理学会サハリン支部によって承認され、モスクワ総主教区ロシア正教会のユジノサハリンスクおよびクリル教区も同意した。

同財団はまた、小クリル列島のユーリ島(歯舞群島・勇留島)の東に位置する別の島(北緯43度25.2分、東経146度05.7分)に「イノケンティ・ヴェニアミノフ」という名前を付けることを提案した。この島の面積は 1.47 ヘクタール。

聖イノケンティ(イヴァン・エフセヴィッチ・ポポフ・ヴェニアミノフ)は、1797 年 8 月 26 日にイルクーツク教区のアンギンスコエ村で、聖堂管理人の家庭に生まれた。

インノケンティは、カムチャッカ半島、クリル諸島(千島列島)、ヤクート、アムール川流域、北アメリカにおける最初の正教会の主教であり、東シベリア総督の N. N. ムラヴィヨフ・アムールスキー伯爵の協力者として極東の発展と先住民の教育に貢献した。

インノケンティは何万人もの人々に洗礼を施し、教会を建て、学校を設立し、そこでキリスト教生活の基礎を教えるとともに、人生の大半を宣教旅行に費やし、各地の言語、生活、習慣を研究し、神の言葉と典礼を数か国語に翻訳した。地理、民族学、言語学に関する著作は世界的に知られている。

州議会委員会のナタリア・コルシュノワ委員長は、小クリル列島の島に正式に名前をつけるには、提案された名前についてサハリンとクリル諸島の住民の意見を聞く必要があると指摘した。

議員らは、住民意見の集約の期限を2025年3月28日に設定するよう勧告した。その期限までに、サハリン州(北方領土を含む千島列島が含まれる)の住民は小クリル列島の2つの無名の島に「ニコライ・カサトキン」と「イノケンティ・ヴェニアミノフ」という名前をつける提案に賛成か反対を表明できる。(astv.ru 2025/2/5)

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