6月3日、南クリル諸島シグナリヌイ島(貝殻島)沖で昆布漁が始まった。183隻の漁船が根室の港から一斉に出漁した。北海道新聞が報じた。漁の開始は当初6月1日の予定だったが、悪天候のため延期されていた。
漁は、日本地図で貝殻島として記されているシグナリヌイ島沖で行われる。この海域は小クリル列島の一部である。
183隻の漁船は午前6時(サハリン時間午前8時)に「日露中間線」を通過。日本ではソ連海峡にある日露国境をこう呼んでおり、根室半島とシグナリヌイ島・タンフィリエフ島(水晶島)の間に位置している。
シグナリヌイ島は、根室半島の納沙布岬からわずか3.7キロメートル。根室市の住民は、漁船を見送るために集まった。彼らにとって、南クリル諸島の海域で獲れる魚介類は非常に重要で、漁期は9月30日まで続く。
4月にロシアと日本の間で交渉が行われ、日本はシグナリヌイ島近海で3,024トンのコンブを漁獲する許可を得た。これと引き換えに、ロシアは7,233万3,000円(約50万5,000ドル)の補償金(※採取権料)を受け取った。
日本はモスクワと東京の合意に基づいて1963年からシグナリヌイ海域でコンブの採取を行っている。両国は、日本で「北方領土」と呼ばれる南クリル諸島の帰属という難題に関して妥協点を見出した。
第二次世界大戦の結果が法的に確定されたサンフランシスコ講和会議において、日本代表団は南サハリンとクリル諸島の放棄を表明したが、帰属先については文書に明記されていなかった。(sakh.online 2025/6/4)