クリル自然保護区の中でも最もアクセスが困難な地域に位置する歯舞群島オスコルキ諸島(海馬島一帯の群島)付近で3日、「トドの道」探検隊とクリル自然保護区が共同でトドの調査を実施した。調査には国家査察官も参加した。

オスコルキ諸島は、自然保護区の中で最もアクセスが困難な地域であり、幅1マイルの海洋保護区に囲まれている。オスコルキ諸島は、シシキ島、リスヤ島、海面からそびえ立つ岩礁からなる小さな群島で、部分的に草に覆われている。岩礁には海鳥のコロニー(ウミウ、ハシブトウミガラス、ウミスズメ、エトピリカ、ウミバトなど)が生息している。また、トドの最南端の繁殖地もあり、この繁殖地の状況を調査することが今回の主目的だった。
オスコルキ諸島周辺では、常に霧が発生し、雲量が増加し、波が非常に強くなる。今回も霧は非常に濃く、シシキ島とリスヤ島(互いに1~2km離れている)は、島自体が見えなかった。太陽はほとんど見えず、視界は100m以下だったが、ドローンの助けを借りて、ペシチェルナヤ岩とヴォストチニエ・シシキ岩の調査が行われた。
これらの岩礁には、オス、メス、幼獣など、性別や年齢の異なる約30~40頭のトドが記録された。また、ウルップ島北方のブラックブラザーズ諸島(知理保以島)生まれの、タグB140を装着した成熟したオスのトド1頭も確認された。
その後、霧はさらに濃くなり、波浪と風速10メートルを超える風が吹き荒れた。調査船はまず色丹島へ向かい、上級国家査察官S.E.カルペンコ氏を上陸させ、その後、中央クリル諸島へ向かった。

今回の調査には、海洋哺乳類評議会の承認を受けた科学プログラムに基づいて実施された。このプログラムは、国際自然保護連合(IUCN)の鰭脚類専門家であるV.N.ブルカノフ氏によって組織された。氏はトド研究における世界有数の専門家の一人である。
調査のスポンサーである民間人が研究インターンとして参加し、海洋哺乳類の種の識別、繁殖地や外洋での観察に関するスキルを学んだ。ブルカノフ氏は「数人の研究インターン(これ以上は受け入れられない)が船の費用を負担してくれたおかげで、私はクリル諸島全域で研究を行うことができました!彼らは動物の個体数を数えたり、観察したりするのを手伝ってくれました。そして驚くべきことに、皆女性で、それぞれ異なる職業に就いています!花束作りからファッションデザイナー、プログラマーまで。港に入る時や岸辺でインターネットが繋がると、皆がスマートフォンに飛びつき、仕事に必要なことをしているんです!本当に素晴らしい!」と語った。

政府の研究資金が限られているため、科学者たちは代替となる資金源を模索しており、好奇心旺盛で関心の高いロシア国民を、クリル諸島やその他のアクセス困難な地域の海洋哺乳類研究に惹きつけている。今年の研究活動を支援するため、研究者への支援は「See Expeditions」社が主催している。(sakh.online 2025/7/7)
