北方領土に日本の郵便番号を割り当てることを提案 

北方領土返還運動

3月21日–ロシアが平和条約と領土問題の解決に関する日露交渉から一方的に撤退して3年が経った。これは、東京が対ロシア制裁に加わったことに対するモスクワの反応だった。最も苦しんだのは、ビザなしで島に渡航する機会を失った南クリル諸島(北方領土)の元島民である一般の日本人だった。しかし、日本における返還運動は衰えていない。活動家の一人は、南クリル諸島の各島に日本の郵便番号を割り当てることを提案している。日本の北海道新聞が報じた。

北方領土問題に対する日本人の関心が低下している中、「千島歯舞諸島居住者連盟」(本部・札幌)の代表を務める松本侑三さん(83歳)は、政府に「4島」それぞれに郵便番号を割り当てるよう求めて2年間活動してきた。北海道新聞は、この「運動」は松本さんが個人として取り組んでいると指摘している。

しかし、これは驚くことではない。元島民の数は減少しており、平均年齢は89歳に達している。終戦時にクリル諸島南部に住んでいた日本人は1万7,291人だったが、2024年末には4,987人まで減ったと同紙は報じている。

「千島」は千島列島の日本名であり、歯舞は小クリル列島(色丹島と歯舞群島)のことで、日本では一般に「歯舞群島」と呼ばれている。便宜上、「歯舞諸島」は1つの島とみなし、択捉島、国後島、色丹島とともに「ロシアが不法に占領している4つの島」として提示される。

ロシアでは、世界の他の国々と同様に、この純粋に日本の地理的用語である「北方四島」が情報分野で軽率に使われることが多く、その本質は不合理であり、ロシアの国境に関する法律の観点からは違反である。

「千島歯舞諸島居住者連盟」は、他の日本の復讐主義団体とともに、「北方領土返還運動」に積極的に参加している。 2023年4月、ロシア連邦検察庁は「クリル諸島周辺の情勢を不安定にするリスクを高める」として、ロシアで望ましくない組織と指定した。

択捉島出身の松本侑三さんは闘いを続けている。

「『北方領土』が日本の領土だというのなら、なぜ日本の郵便番号がないのか」と、現在札幌に住む元島民は疑問を呈する。

北海道新聞によると、総務省は、郵便法を引用し、「北方領土」は現在「外国とみなされている」としている。郵便番号は郵便物が配達される集落に割り当てられており、日本からクリル諸島に郵便物は届いていない。

日本政府は、1981年の閣議決定に基づき「旧ソ連が4島を占領していた事実を踏まえ、法令の施行のため」と説明している。一方で、外務省は「『北方領土』は本来日本の領土であるという我が国の立場に影響するものではない」と強調している。

NGO法人国境地域研究センター(名古屋市)の山上博信氏は、政府の立場に異論を唱える。係争中の南シナ海の尖閣諸島(中国名:釣魚島)と日本海の竹島(韓国名:独島)を例に挙げる。山上氏は「郵便が届くかどうかは別として、尖閣諸島には台湾が、竹島には韓国が郵便番号をつけた」と、主権を示すために係争地域に郵便番号を付与する例は多いと付け加えた。

松本侑三氏は、戦後80年に、若者を含めて賛同者を募り運動を活発化させる計画だ。ビザなし渡航の停止や平和条約交渉再開の見通しが立たない中で、この問題に対する日本人の関心は低下している。昨年10月に日本政府が実施した調査によると、回答者の56%が日露関係の重要性を指摘した(2021年より17%減少)。今年2月までに、千島歯舞諸島居住者連盟は(自分たちの取り組みを支持する)署名を36万9千筆集めたが、前年は40万9千筆だった。

ロシアと日本の間の領土問題は、公式には1951年、実際には1945年以来存在している。緊張を緩和するために、南クリル諸島の住民と日本国民の間でビザなし交流が1992年から行われてきた。2019年までは、代表団が毎年5月から10月にかけて交流していた。元島民だけでなく、科学者、医師、教師、政府関係者、議員、諜報員も訪問した。新型コロナの感染拡大のため、2020年から2021年にかけてビザなし渡航は実施されなかった。そして2022年には、ロシアと日本の関係が急激に悪化した。

地理的に近いにもかかわらず(北海道の海岸からサハリンまで43km、クリル諸島までわずか3.7km)、日本とロシアは異なる地政学的ブロックに属していることに気づいた。(sakh.online 2025/3/21)

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