北千島・占守島に野外博物館を創設 プーチン大統領が指令
第二次大戦を終わらせた日本軍との最後の戦いの記憶を継承

千島列島

                                 (astv.ru 2024/10/9)

ロシア副首相とサハリン州知事が占守島を視察へ

ロシア極東連邦管区大統領全権代表のユーリー・トルトネフ副首相とサハリン州のヴァレリー・リマレンコ知事が、クリル諸島(千島列島)のシュムシュ島(占守島)を訪問する。訪問の目的は、プーチン大統領の指令を受けて、第二次世界大戦最後の戦いであるクリル上陸作戦を記念する博物館を創設する計画について話し合うことである。

現在でもシュムシュ島には、ソ連軍がサハリンとクリル諸島を日本軍から解放した 1945 年 8 月に行われた軍事行動の痕跡が数多く保存されている。

トルトネフ副首相は「国家元首プーチン大統領から命令がありました。大統領府の同僚とともに、第二次世界大戦最後の大きな戦いとなったクリル上陸作戦の記念博物館を創設する可能性を検討します。シュムシュ島は、ソ連軍が要塞地帯にいた優勢な敵軍(日本軍)を破った島です。この作戦中、2人のロシア兵が偉業を成し遂げました。彼らは日本軍のトーチカを自らの体で塞いだのです。私たちはこのことを忘れず、そこに博物館を創設しなければなりません」と強調した。

一方、リマレンコ知事は、シュムシュ島に博物館を創設することは、第二次世界大戦の出来事の歴史的記憶を保存する上で重要であると付け加えた。「シュムシュ島には、まだ多くの軍事装備や遺品が残っています。そして、私たちの調査員は、それらの出来事の真の歴史を少しずつ復元しています。歴史を書き換えよとする動きがある中で、これは重要なことです。だからこそ、戦闘が行われた場所、兵士や将校たちが激しい戦いで勝利した場所に博物館を開設したいのです。さらに、博物館の開設は北クリル諸島(北千島)の発展にとっても重要であり、より多くの観光客を誘致することにもなります。クリル上陸作戦に特化した野外博物館の創設は、愛国的観点からも経済的観点からも重要なイベントになると確信しています」と述べた。

シュムシュ島ヴィソカヤ山の麓に広がる新しい野外歴史博物館は、165 高地と 171 高地(島の北東部)の戦場を含む数ヘクタールの土地を占めることになる。島を訪れる観光客に必要なすべてのインフラもここに整えなければならない。

サハリンのポベダ(勝利)博物館・記念複合施設のディレクターであるユーリ・フィリペンコ氏は「野外博物館の創設には、非常に重要な目標が 1 つあります。それは、戦死したソ連兵の偉業、そして誰が第二次世界大戦の終結をもたらしたかという事実を記憶にとどめておくことです。私たちの任務は、プーチン大統領の指示に従い、今後の建設工事の規模を評価し、アクセスを確保すること、野外博物館をどのように整備し、建設するかです」と語った。

1945年8月18日、ニコライ・ヴィルコフ下士官とピョートル・イリチェフ水兵は、クリル諸島のシュムシュ島を日本軍の侵略から解放する海軍上陸部隊の一員だった。この戦闘で、日本軍は撃退され、戦車8台が破壊された。しかし、空挺部隊が171高地を襲撃しようとしたとき、2つの銃眼を持つ日本軍のトーチカから攻撃を受けた。そこでヴィルコフとイリチェフはトーチカに這い上がり、手榴弾を投げつけた。しかし、空挺部隊が再び攻撃を開始すると、日本軍の機関銃が再び火を噴き始めた。その時、2人のソ連将兵は敵のトーチカの銃眼を自らの体で覆った。彼らは死後、ソ連邦英雄の称号を授与された。

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