津波がもたらした80年前の「占守島の戦い」の残骸 米国が「プロジェクト・フラ」で供与した上陸用舟艇の遺物発見

プロジェクト・フラ

北千島シュムシュ島(占守島)を襲った津波の後、80年前のクリル上陸作戦の調査をしていた隊員が作戦に使用された上陸用舟艇の遺物を発見した。サハリン州文化文書省の広報が発表した。

同島で調査にあたるサハリンの「ポベダ」博物館・記念館のユーリ・フィリペンコ館長によると、1945年8月18日ソの連軍上陸の際に、日本軍による砲撃受けて沈没した上陸用舟艇DS-9(米海軍上陸用舟艇LCI(L)-554)とDS-43(米海軍上陸用舟艇LCI(L) -943)の残骸が発見されたという。その後、調査隊は海岸でDS-9のボラード(船舶を係留するための設備)を発見した。

※上陸用舟艇DS-9は米海軍のLCI(L)-554で、DS-43は米海軍のLCI(L) -943で、いずれも日本との戦争に備えた米ソ共同の極秘協力「プロジェクト・フラ」によりソ連太平洋艦隊に移管された。

フィリペンコ館長は「津波の後、私たちはソ連軍の上陸地点を訪れ、そこで1945年8月18日に日本軍の砲撃によって損傷を受けた2隻の上陸用舟艇DS-9とDS-43の残骸を発見しました。その後、津波で砂が流され、他の遺物が露出していないか確認するために海岸へ行きました。そして、DS-9号のボラードを発見することができたのです」と語った。

この上陸用舟艇は第138狙撃連隊第1狙撃大隊を輸送していた。上陸の際、海岸から150~200メートルの地点で砲撃を受けた。シュムシュ島では、野外博物館の建設を目的とした調査隊が活動している。発見された500点以上の遺物は、調査のためサハリンに送られる。(サハリン・メディア2025/8/4)

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