北千島・占守島の野外軍事歴史施設整備 若者の愛国教育に重要な役割果たす

千島列島
北千島・占守島

第二次世界大戦と軍国主義日本に対する勝利80周年を記念して、北千島シュムシュ島(占守島)にクリル上陸作戦(北方四島を含む千島列島へのソ連軍上陸作戦)の記憶を継承する野外軍事歴史施設が整備されることについて、サハリンの専門家は「この施設は歴史的記憶を保存するだけでなく、若者の愛国教育にも重要な役割を果たす」と、その重要性を強調している。

野外軍事歴史施設の建設はプーチン大統領の命令で、サハリン州のリマレンコ知事が自ら建設作業を管理している。

「不滅の連隊」サハリン支部長のアンドレイ・フゲンフィロフ氏は、シュムシュの戦いがクリル上陸作戦の重要な段階であったこと、戦闘の激しさという点で最も困難な戦いだったこと強調した。「島は長期にわたり要塞化されていた。我々には準備する時間も、上陸作戦を遂行する経験もなかった。指揮官たちの勇気と英雄的行為がここで示された。そして彼らが日本軍と戦ったことは、特に注目に値する」と指摘した。

同氏はまた、記念施設によって若い世代は同胞の偉業について学ぶことができるだろうと指摘した。「この栄光の戦場、シュムシュの戦場を訪れることで、人々は英雄的な先祖に対する新たな見方を持つでしょう。そこで野外キャンプが組織され、学びの機会やイベントが開催されることは非常に素晴らしい。若者は人生について学び、困難な状況で勝利を収めた曽祖父の偉業に刺激を受けるでしょう。国中から子供たちがシュムシュに来ると思います。そして、『パンフィロフの28人の兵士』のように、手榴弾の束を持って日本軍の戦車の下に身を投げた兵士の勇気と英雄的行為について、より多くの人々が学ぶでしょう」

注)1941年11月16日、ドイツ軍のモスクワ侵攻の際、部隊の28人の兵士が4時間に及ぶ激闘で敵の戦車18台を破壊した。「ロシアは広大だが退路はない――モスクワは背後にある!」という有名な言葉は、パンフィロフ戦士の一人が言ったとされる。(ロシアビョンド)

シュムシュ島などで遺骨収集を行っている国民運動「ロシア捜索運動」サハリン支部代表のアルチョム・バンドゥーラ氏は「これは歴史の記憶と真実を保存する上で本当に重要です。私たちはクリル上陸作戦、つまり1945年8月18日に海岸に上陸し、命を落とした何千人もの兵士の死を思い出さなければなりません。島には今でも英雄たちの遺骨が残っています。勝利を収めるのにどんな代償を払ったかを理解することが重要です。第二次世界大戦が終わったのは極東、現在のサハリン州の領土でした。ソ連の兵士たちがこの戦争に終止符を打ったのです。アメリカや他の国ではなく、ソ連なのです」

また今年9月3日の軍国主義の日本に対する勝利の日と第二次世界大戦の終結に合わせて、さらに2つの軍事史の再現が行われる。ホルムスク(真岡)では、カムイショフ峠(熊笹峠)の要塞地帯への攻撃が再現され、スミルヌイフ地区では、半田沢警察署への襲撃が再現される。さらにロシチノ村では、「南サハリン攻撃作戦」の軍事史を再現した野外軍事博物館がオープンする。

スミルヌイフ地区のイリーナ・カルプコワ市長は、2023年にサハリン州知事が野外軍事博物館の建設を決定したと語る。昨年、博物館建設の第一段階が完了し、緑地の整地、駐車場、アクセス道路、観客席の設置作業が行われた。今年は公園が造られ、戦死した兵士を偲んで記念碑が設置される予定だ。(sakh.online 2025/1/28)

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