対日戦勝と第二次大戦終結80周年を祝う記念行事の一環として、北千島シュムシユ島(占守島)で行われるソ連兵の遺骨収集に参加する捜索ボランティアの第一陣30人が2機のヘリコプターで到着した。

モスクワから来たマルガリータ・モロゾワさんは「モスクワから飛行機で8時間、ペトロパブロフスク・カムチャツキーで数日間の待機を強いられた後、ヘリコプターで1時間半。やっと今、ここに到着しました。私たちは既に様々な探検で多くの経験を積んできました。みな準備万端です。今後数週間は作業に取り組み、もちろん同時にこの美しい景色を堪能する予定です」と語った。

滞在中はテント生活となるが、参加者は風呂や洗面所、洗濯機まで生活と仕事に必要なものが揃ったキャンプの設備に目を奪われた。島内での活動を指導する「ロシア捜索運動」サハリン支部のアルチョム・バンドゥーラ支部長は「初日はキャンプでの生活や生命維持装置、食料の状況、日々のル―ティンを理解するため徹底したブリーフィングが行われました。明日から、隊員たちは捜索活動に出発します」と説明した。

捜索隊は、セヴェルナヤ高地を含むシュムシュ島北部で活動する。1945年8月18日、ソ連軍上陸部隊と島を防衛する日本軍との間で激しい戦闘が勃発した。上陸作戦中に死亡したソ連兵の正確な数は依然として不明だ。サハリンの捜索隊は2014年からシュムシュ島で捜索を行っており、そのたびに行方不明だった兵士の遺骨が発見されている。捜索隊の主な目的は、兵士一人ひとりを発見し、氏名を明らかにし、祖国に敬意を表して埋葬することだ。

モロゾワさんは「もちろん、ここに来たかったんです。ここまでの道のりは、その価値がありました。ここは我が国の歴史において重要な場所です。シュムシュは軍国主義日本に対する勝利の代償を私たちに思い起こさせてくれます」と話した。
祝賀行事はシュムシュ島にソ連軍が上陸した8月18日に開催され、軍事史記念施設(野外博物館)の第一期開館、シュムシュ島の戦いの再現などが行われる。(sakh.online 2025/7/1他)