北クリル(北千島)のパラムシル島セベロクリリスクに昨年完成した滑走路が、現在の625mから約500m延長される。これによって30人乗り以上のターボプロップ機が離発着出来るようになり、地元住民の長年の悲願だったユジノサハリンスクとパラムシル島間の定期直行便を含む大型航空機の受け入れが可能になる。工事完了は2015年の予定。パラムシル島は地理的な位置から、サハリン州で最もアクセスしにくい地域の一つで、長い間、海路またはヘリコプターでしかアクセスできなかった。貨物輸送はサハリンのコルサコフ経由で行われ、旅客輸送はカムチャッカからヘリコプターと貨客船があるだけだったが、2023年に滑走路が建設され、カムチャツカ地方のペトロパブロフスク・カムチャツキーとの間でAN-28旅客機(最大19人乗り)が運航している。サハリン州のリマレンコ知事は「クリル諸島の交通アクセスは最優先事項の1つであり、定期航空便の開設、路線網の拡大、フライトの頻度の増加を目指している。サハリン住民、クリル住民、およびこの地域を訪れる観光客は季節や天候に関係なく、自由に飛行し、旅行できる必要がある。そのため、セベロクリリスク着陸場を再建し、ユジノサハリンスクとパラムシル島間の定期直行便をできるだけ早く確保することが重要だ」と、指摘した。工事の技術仕様によると、現在625mの滑走路を約500m延長する計画で、これによって統一極東航空(オーロラ航空)が保有する30人乗り以上のターボプロップ機を受け入れることができる。さらに、燃料補給施設を装備し、エプロンを拡張し、気象および航法機器を設置する予定だ。「滑走路を延長し、人工地盤を設置して既存の着陸場を再建すれば、ユジノサハリンスクからセベロクリリスクへの直行便を飛ばすことが出来る」と、サハリン州の運輸・道路施設大臣マキシム・ジョゴレフ氏は述べた。セベロクリリスク着陸場の再建により、ビジネス活動が活発化し、社会的・文化的つながりが確立され、独特の自然の魅力を持つ北クリル観光の可能性が開かれる。さらに、地元住民は直行便を利用してユジノサハリンスク経由で他の目的地に旅行する機会が得られる。「ようやく私たちの島の航空アクセスに注意が払われるようになったのは素晴らしいことだ。昨年、ペトロパブロフスク・カムチャツキーからAN-28旅客機が着陸し、今ではユジノサハリンスクへの直行便という壮大な計画がある。本当に楽しみにしている。乗り換えなしでサハリンに飛びたい。そうすれば時間とお金が節約できる」と、住民のナタリアさんは語った。クリル諸島(※この場合、北方四島を含む千島列島)の観光業の発展に伴い、旅客輸送は着実に増加し、昨年は10万人を超える人々が航空輸送サービスを利用するという新記録を樹立した。(astv.ru 2024/10/4)
コメント