南クリル諸島(北方領土)の国後島で、地元住民が日本人墓地を清掃した。活動家らは墓地を清掃し、標柱のかすれた文字を修復した。プライム通信が日本のNHKを引用して報じた。
NHKによると、墓地には第二次世界大戦終戦まで島に住んでいた日本人が埋葬されている。日露間のビザなし渡航が停止されたため、日本人は祖先の墓参りをする機会を失った。一方、クリル諸島の住民は自主的に墓地の草刈りを行い、標柱の文字を修復した。
日本と南クリル諸島間のビザなし交流プログラムは1992年に開始され、島々への訪問が簡素化された。これは人道的関係の発展と平和条約締結に向けた協議に貢献した。しかし、2020年には新型コロナのパンデミックの影響で交流は中断され、日本が対ロシア制裁を発動したことで、モスクワはビザなし渡航や共同経済活動を含む南クリル諸島に関する交流を最終的に凍結した。
日本は引き続き国後島、色丹島、択捉島、歯舞群島を自国の領土とみなしている。ロシアでは、これらの島々はサハリン州の一部である。(sakh.online 2025/7/24)
北方領土 国後島 ロシア人の島民たちが日本人墓地を清掃(NHK 2025/7/20)
北方領土の国後島でロシア人の島民たちが、交流事業が中止されて墓参りに訪れることができない日本人の元島民たちのために墓地の清掃作業を行いました。
北方領土の元島民などによる「北方墓参」や「ビザなし交流」などの事業は、新型コロナウイルスの感染拡大やロシアによるウクライナへの軍事侵攻の影響で中止され、再開の見通しが立っていません。
このため、ことしも元島民たちが船の上から先祖を供養する「洋上慰霊」が20日から行われることになっています。
国後島では、先月中旬、ロシア人の島民たちが墓参りに訪れることができない日本人の元島民たちのために墓地の清掃作業を行いました。
作業が行われたのは、島の西岸にある墓地で、ロシア人の島民によりますと、草刈りを行ったあと、消えかかっていた墓標の「ハッチャス墓地」という日本語の文字を日本人から提供された資料を参考にして復元したということです。
ロシア人の島民の男性は、NHKの取材に対し「隣人である日本人が墓参りできない状況だということは理解しているので、できることをやっている」と話していました。
日本政府は、領土問題を解決し、平和条約を締結する方針を堅持して交流事業の再開に取り組む方針ですが、ロシア政府は、ウクライナ侵攻後、平和条約交渉を中断すると一方的に表明し、制裁の解除が先に行われるべきだなどと主張しています。
