国後島・古釜布 南クリル地区が財政難で市立「教育センター」閉鎖方針 住民が猛反対 サハリン州「閉鎖決定は保留」と発表

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国後島では、30年以上にわたり基礎・中等教育や職業訓練を無料で提供してきた南クリル地区が運営する市立学校「ユジノクリリスク(古釜布)教育センター」が閉鎖されるという噂がソーシャルメディアで広まり、住民や生徒の保護者から反対の声が上がっている。閉鎖の理由は、財政難の南クリル地区行政府が人件費や光熱費、維持費を確保できないためといわれている。

地元住民によると「教育センター」は1993年から運営されており、基礎・中等の一般教育プログラムに加え、10年生と11年生を対象としたB種運転免許取得のための職業訓練を無料で提供してきた。さらに、労働・レクリエーションキャンプや地域史をテーマにしたキャンプ「フレガート」も開催している。「教育センター」は必要な免許、証明書、認可をすべて取得しており、1990年代と2000年代の困難な時代を乗り越え、連邦基準に準拠して運営を続けており、多くの地元住民に「人生の出発点」を与えてきたという。

また、「教育センター」が閉鎖された場合、生徒は自動的にユジノクリリスク(古釜布)の中等学校に転校することになるという。しかし、この中等学校はユジノクリリスク、メンデレーエヴォ、ゴリャチー・プリャジ(瀬石)、ラグンノエ(ニキシロ)、オトラダ(近布内)の5つのコミュニティから生徒が集まり、2部制で授業を受けている。1クラス最大30人の生徒がいるため、個別の指導は事実上不可能。教育の質が低下し、統一国家試験の準備に支障をきたすと懸念されている。また、教職の将来も危ぶまれる。

さらに、特別な支援を必要とする子どもたち(試験でC評価を取っているものの、成績向上を目指している子どもたちを含む)は、統一国家試験の準備に必要な支援を受けられないリスクがある。保護者たちは「子どもたちにとって、慣れ親しんだ環境を変えることがどれほど難しいかは周知の事実です。特に重要な試験の準備期間中はなおさらです」と強調する。

過去30年間、「教育センター」は生徒一人ひとりをよく理解し、多様なニーズを持つ子どもたちへの対応策を見つけ、一貫して高い教育水準を維持してきた。地元住民は「私たちは改革に反対しているわけではありません。子どもたちの利益を考慮した、合理的な解決策を求めているのです。財政難に直面しているのであれば、共に解決策を見つけましょう。しかし、生徒たちの未来を犠牲にしてはなりません」と話している。

この事態を受けて、サハリン州教育省が公式にコメントを発表した。「この教育機関の閉鎖決定は保留となりました。状況を包括的に分析し、関係者全員の意見を考慮せずに最終決定を下すのは時期尚早であると考えています。教育省は、学校再編の手続きは可能な限り透明性を確保し、子どもたちの教育へのアクセスと質の維持を最優先事項とすべきであると強調します。この点に関して、ユジノクリリスクの教職員および保護者コミュニティとの会合を開催する予定です」。(astv.ru、sakh.online 2026/4/7)

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