❐北方四島の話題
サハリン・クリル通信2018/11/9
◆サハリン在住のプロダイバーのアンドレイ・シドルキンは、2002年に国後島の南の海域でウニ漁のダイバーとして働いた。海岸からさほど離れていない37mの海底で古代の文明の遺跡のような構造物を見つけた。高さ約3mの台形状の構造で、表面は長さ7-8m、厚さ約1.5mの平らなプレート状になっていた。直径80㎝ほどの穴が西から東に向かって開いていた。表面はガラスのように滑らかで、黒曜石に似ていた。シドルキンは「不思議の世界」を再び訪れるために、座標を記録したが、その地点で再び漁をすることはなかった。
◆シドルキンは、この海域で繰り返し海の神秘に遭遇した。例えば、2005年には海底で巨大な3本の樹木を見た。幹は海底の高さ2mから伸びていた。樹木は別の場所から持ちこまれ、沈んだようには思えなかった。彼は、サイズが異なる溶岩の岩盤が何枚も積み重なっている光景を見た。しかし、誰も彼の言うことを信じなかった。
◆シドルキンは2016年にモスクワの海底遺跡クラブに入り、関心を持ってもらおうと、ロシア科学アカデミーやロシア地理学会、中央のテレビ局に情報を提供した。ロシア科学アカデミーから回答が来た。そこにはこう書かれていた。更新世 – 完新世期に海底に沈んだテラス、破壊された崖の残骸、固まった溶岩は「石の森」のように見える。おそらくあなたが観察したこれら自然の造形を文明の人工物と見誤ったのだ。歯舞群島の海底で文明の存在は確認されていない。
◆すべての科学者がシドルキンの発見を否定しているわけではない。太平洋海洋研究所の研究者は「この海域のさまざまな情報はまだ体系化されていない。彼の証言は非常に重要で興味深いものだ。きっと支持者を見つけることができる」と語る。
◆シドルキンはこれからも海とかかわって活動していく。記事の主人公が確信しているように、彼は「不思議の世界」を最初に見て、そして触れたのかもしれない。
※以下の写真は国後島沿岸の水中写真 (サハリン・メディア 2015/8/11より)
アンドレイ・シドルキン
コメント