北方領土・国後島にある人口545人のオトラダ村(近布内)に1月下旬オープンした診療所に国後島出身のドミトリー・イワノフ医師が赴任した。
サハリン州では医療分野の若い人材を誘致することが優先課題の一つとなっており、イワノフ医師も州保健省の医師誘致プログラムで診療所にやって来た。このプログラムは、医療従事者が定住し、小さな町の医療従事者不足を軽減することを可能にするものだ。
イワノフ医師は、1996年に国後島で生まれた。両親が国境警備隊に勤務していた関係でゴリャチ・プリャジ村(瀬石)で幼少時代を過ごした。
高校卒業後、クラスノヤルスク国立医科大学に進学した。研修医時代から、総合診療医という専門分野を選択した。総合診療医は患者の診察や問診に加え、診断や治療も行える。オトラダの診療所に招かれたのは、まさにこのためだ。
「新しい部門、最新の設備、素晴らしい住宅など、このような条件で仕事に就けるとは夢にも思っていませんでした。私の専門分野は幅広い求人があるわけではありませんし、需要があるとは思ってもいませんでした。ましてや故郷の島で役に立つとは思ってもいませんでした。またここに戻ってこれてとても嬉しいです」とイワノフ医師は言う。
医師には趣味もある。仕事や勉強の合間には音楽を聴いたり小説を読んだりするのが好きで、好きな作家はヴィクトル・ペレヴィンだ。
イワノフ医師は、人生を医学に捧げたいと願うクリル諸島の若者たちにすでにアドバイスしている。「私は、9年生を終えるすべての人に、高等教育機関に入る前にまず医科大学で勉強することをお勧めします。これにより、実践で多くの知識を得る機会が得られ、大学でのさらなる教育や就職においてより競争力を高めることができます」(kurilnews.ru 2025/2/7)

