北方領土・国後島のクリル自然保護区から興味深い事実が発表された。同保護区の研究者が、同島に生息するシマフクロウが求愛行動で発する鳴き声を記録することに成功した。シマフクロウの交尾行動は多くの点で人間の関係に似ていることがわかった。
2 月 28 日、同保護区の研究者は国後島サラトフカ川の湿地でシマフクロウの行動をボイスレコーダーで記録した。
シマフクロウは日没前の時間帯に求愛行動を好み、場所はペアごとに厳密に決められている。あるエリアにペアが居座ると、他のペアはそこに行かない。
成熟した若い個体(3~4 歳)は、春になると大きな鳴き声を出してメスを呼び、繁殖の準備ができていることを知らせる。オスの求愛の声は約 2 秒間しか続かない。それにメスが反応し、空中で「対話」が始まる。
たとえば、オスが「HU」-「GUUU」と鳴くと、メスは「guuu」と答える。ペアの会話は短く、質疑応答形式の会話に似ている。
オスのイントネーションは上昇し、鳴き声はより高く、メスの鳴き声は低く、イントネーションは下降していく。オスとメスが鳴く順序が変わることはめったにない。互いに求愛歌のデュエットを始め、どんどん近づいていく。鳴き声が始まる時間は、1 月は 18時頃、3 月は 19時頃だ。
この特別な求愛行動、デュエット歌は、つがいの絆を確認し、双方の意図が真剣であることを示す合図であり、カップルは交尾の準備ができているを意味する。
交尾期のシマフクロウの鳴き声は生息地によって異なる。沿海地方では、より頻繁に、より激しく鳴く。国後島のシマフクロウはそれほどおしゃべりではない。
シマフクロウは、ロシアのレッドブックと IUCN レッドリストに記載されている絶滅危惧種で、国後島には約 40 ペアが生息している。(astv.ru 2025/3/13)