エカテリンブルクの地質学者グループが、国後島ゴロヴニン火山のカルデラで衝撃的な発見をした。科学者たちはキピャシチェ湖(ポントウ沼)とゴリヤチェエ湖(一菱内湖)にコロイド状の硫黄が存在すると予想していましたが、実際には、ここに存在する硫黄の大部分はコロイド粒子ではなく、天然硫黄の凝縮物であることがわかった。クリル自然保護区によると、これは火山湖における硫黄の生成に関する従来の考えに疑問を投げかけ、既存の科学モデルの見直しを迫るものだという。
カルデラの硫黄の泡と硫黄砂には、ごく微量ではあるものの、いくつかの種類の危険な化合物(亜鉛とヒ素の硫化物)が含まれていることが確認されている。調査中、科学者たちはキピャシチェエ湖の表面に、通常のコロイド状硫黄ではなく、硫黄が溶けた滴が出現していることを発見した。これまで、火口湖の硫黄は水環境でのみ生成されると考えられていたが、新たなデータによると、その主な生成は深部における火山ガスの凝縮によって起こることが示されている。
もう一つの予想外の発見は、研究者たちが1979年の噴火による凍った硫黄の流跡を偶然発見したことだ。これらは長い間土の層の下に隠れていたが、45年後に浸食によって露出した。これは、近年の自然硫黄噴火の記録に残る数少ない証拠の一つである。
研究者たちは、カルデラ湖の隠れた危険性についても言及した。火山ガスは致命的となる可能性がある。例えば、ゴリャチイ湖畔では、二酸化炭素の蓄積で窒息死したクロテンの死骸が発見された。このような現象による大量死の悲劇的な事例は世界的に知られており、1986年には、アフリカのニオス湖でガスの放出により1,700人以上が死亡した。
現在、ロシア科学アカデミーウラル支部の地質学・地球化学研究所とクリル自然保護区の間で、ゴロヴニン火山カルデラとチャチャ火山の岩石と鉱石の形成を研究する長期研究プログラムに関する協定が締結されている。(astv.ru 2025/4/4)

