国後島と色丹島「海草や藻場は魚の保育所」ロシア科学アカデミーの科学者が沿岸域を調査

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2025年8月、ロシア科学アカデミー動物学研究所と海洋学研究所の研究者たちが国後島と色丹島を訪れ、クリル自然保護区と協力して沿岸の生物群の調査を実施、将来の研究のための豊富な標本を収集した。

科学者たちは、水深2メートルまでの浅瀬を調査し藻類と無脊椎動物のサンプルを採取し、ビデオ撮影や潜水調査も行った。すべてのサンプルは形態学的および分子学的分析にかけられる。得られたデータは、生息する生物の種構成を明らかにし、DNAサンプルを含む動物学研究所のコレクションの拡充に役立つとともに、進化の基礎研究、生態学的モニタリングや種の移動の追跡といった応用研究にも活用できる。

ロシア科学アカデミー動物学研究所の主任研究員のヴィクトル・スタルノフ氏は「私たちの目標は探究的なものでした。限られた時間でできるだけ多くの資料を収集し、20世紀半ばの探検の結果と比較できるようにすることです」と述べている。ジナイダ・スタルノヴァ氏(進化形態学研究所)は「北極海でよく見られる種が太平洋地域にも生息しているかどうかを特定することは、特に興味深いでしょう。異なる地域のDNAサンプルを比較することで、個々の種の回遊経路と分布を追跡することが可能になります」と付け加えた。若手研究員アレクサンドラ・チャヴァ氏は「海草や藻場に覆われた沿岸域は、幼い海洋生物や稚魚にとってまさに『保育所』。彼らはここで大型捕食者から身を守り、穏やかに成長することができます」と語った。(sakh.online 2025/10/2)

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