「世界最強の蜂」オオスズメバチ 国後島南部に広く生息 クリル自然保護区が注意喚起

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攻撃性や毒性、かむ力の強さなどから「世界最強の蜂」と言われるオオスズメバチが国後島南部に広く生息していることが分かった。人間にとって深刻な脅威となる可能性があるとして、クリル自然保護区が注意を呼び掛けている。

最近まで、国後島にはケブカスズメバチ(Vespa simillima)とモンスズメバチ(Vespa crabro)の2種が生息していることが確認されていたが、2023年にクリル自然保護区の鳥類学者セルゲイ・ステファノフ氏によってオオスズメバチがヴェスロフスキー半島(ケラムイ崎)で初めて観察された。

保護区によると、今年9月、昆虫学者のV.V.ドゥバトロフ氏とV.K.ジンチェンコ氏がペシャノエ湖(東沸湖)付近で2匹のオオスズメバチを、イワノフスキー岬 (ハッチャス崎)で約15匹を発見した。また、ステファノフ氏も9月19日にストルボフスカヤ生態系遊歩道で観察している。

オオスズメバチがなぜそれほど危険なのか。特徴的なのは、その攻撃性の高さと強力な毒だ。一般的なスズメバチとは異なり、オオスズメバチの針は組織の奥深く、筋肉にまで刺さるため、特に痛みを伴い、危険だ。大きさは普通のスズメバチの約1.5倍もある。

ロシア科学アカデミーシベリア支部動物系統学・生態学研究所の生物学博士で主任研究員のウラジミール・ドゥバトロフ氏は「かつて統計を見せてもらったのですが、日本ではクマに襲われて亡くなる人は年間1人以下、毒蛇に噛まれて亡くなる人は年間約5人(日本には毒蛇がたくさんいます)、オオスズメバチに刺されて亡くなる人は年間約50人です。中国の四川省では、毎年何百人もの人がオオスズメバチによって亡くなっています」と、説明する。

同氏はまた、「もし夏にダーチャの近でオオスズメバチの巣を見つけたら、決して自分で巣を破壊しようとしないでください! 群れの攻撃を誘発し、悲惨な結果につながる可能性があります」と注意喚起した。

オオスズメバチの巣を破壊するには、特別な防護具(頭部保護が必須の汎用防護服など)を着用する必要がある。クリル自然保護区は「残念ながら、南クリル諸島には現在、このような危険を排除する機関がありません。国後島の住民と観光客の皆様には、警戒を強くお願いします」と、注意を呼び掛けている。(astv.ru 2025/9/25)

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