吉田初三郎「根室支庁管内鳥瞰図」(1936年)に描かれた落石無線局根室受信所と落石送信所

知られざる歴史・秘話

北海道根室振興局2階の応接室に一枚の絵が掲げられている。横 227㎝×縦 51㎝ある「根室支廰管内鳥瞰図」-。鳥瞰図の大家・吉田初三郎の作。1936年(昭和11) 9月の昭和天皇の根室行幸にあわせて制作したものと考えられている。

行幸記録には閲覧に供した資料として「根室千島両国鳥瞰図」とある。題名は若干異なるが、釧路支庁でも行幸にあわせて鳥瞰図を制作したことからすると、昭和天皇に根室管内の概況を説明するために制作した可能性は高い。

そこには根室支庁の行政区域であった北方四島はもとより、力強く北へ延びる千島列島が描かれている。当時は千島列島すべてが日本の領土だった。主な施設も名前入りで出てくるのだが、落石岬と根室町郊外の2カ所に「無線電信所」と書かれた施設がある。

ツェッペリン伯爵の飛行船やリンドバーグ夫妻の北太平洋横断飛行をリードした落石無線電信局の根室受信所と落石岬の送信所である。

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