択捉島を事実上管轄しているクリル地区行政府のテレグラム(9月2日)に掲載されている「軍国主義日本に対する勝利の日 • 第二次世界大戦終結の日」を祝うイベント告知。使用されている軍艦の写真は裏焼きだ。この写真については、択捉島の地元紙「赤い灯台」テレグラムでも十分確認されないまま、裏焼きの写真が使用されている。

写真の軍艦は1945年8月28日に択捉島・留別に侵攻した掃海艇T-589である。撮影された日は、樺太・真岡に上陸した1945年8月20日で、撮影者は従軍写真家グリゴリー・ソコロフとされる。T-589は日本との戦争準備のため極秘裏に行われた米国とソ連の共同作戦「プロジェクト・フラ」で米国から提供された掃海艇で、米海軍時代は「YMS-237」だった。

イベント告知の写真を拡大すると、船の艦番号「237」が逆になっている。ちなみにこの番号は「YMS-237」の237であり、ソ連に移管されてからも米海軍時代の艦番号のままで、塗り替える間もなく戦闘に投入された。
