サハリン北緯50度線の村に戦争野外博物館 対日戦勝80年に向け半田沢警察署の要塞を再建

サハリン

1945年8月11 日から 12 日にかけて、日本軍との最初の戦闘が行われた北緯50度線に近いスミルヌイフ地区ロシーノ村(半田沢)で、南サハリンを解放したソ連兵の英雄的行為と勇気をたたえる軍事博物館「南サハリン攻勢作戦」の整備が進んでいる。

プロジェクトは、サハリン州のリマレンコ知事が議長を務める会議で議論された。すでに第一段階として、駐車場と1,500人の観客を収容できる観覧席が建設さている。ここでは毎年、1945年8月の戦闘がボランティアによって再現されている。

半田沢警察署の襲撃は、南サハリン解放のための最も重要な戦闘の 1 つだった。警察署は5 mごとに銃眼のある高い土塁に囲まれており、北側には2 つの掩蔽壕、有刺鉄線、対戦車壕などがあった。ソ連兵は2日間にわたり、難攻不落の日本軍の要塞を襲撃し、前例のない勇気を示し、敵の抵抗を打ち破ってこの要塞を落とした。

リマレンコ知事は「来年は大勝利 80 周年の年です。私たちは 5 月 9 日(対独戦勝記念日)だけでなく、南サハリンとクリル諸島(北方領土を含む千島列島)の解放も祝います。最も重要な戦闘の 1 つは、1945 年 8 月にスミルヌイフ地区で起こりました。そこでは伝統的に歴史的再現が行われます。戦時中の出来事にできるだけ近づけるため、要塞が再現され、軍事装備が設置されます。歴史の真実は、本物の野外博物館の形をとります。シュムシュ島(占守島)でも同様のプロジェクトを実施しています。これらの博物館は、サハリンとクリル諸島の住民やロシア各地からの訪問者に歴史に触れる機会を提供します」と述べた。

ロシーノ村の野外博物館は、赤軍兵士の英雄的行為と勇気の生きた記念碑となる。第2段階では防御構造物、門、対戦車溝が再建され、敷地内には武器のサンプルも配備され、作業は2025年8月までに完了する。

サハリンやクリル諸島でソ連兵の遺骨収集を行っているロシア捜索運動のサハリン州支部長アルチョム・バンドゥーラ氏は「この夏、私たちの兵士が信じられないほどの勇気を示した戦いの歴史的再現が、修復された敷地で行われました。以前の観客は高速道路に車を置いて、立って見ていたが、今ではスタンド整備された。プロジェクトの第2段階はまだ実施されていないが、半田沢警察署が可能な限り正確に再現されるだろう」と話した。

第二次世界大戦の英雄たちの記憶を保存・継承することは、州政府の仕事の優先分野である。毎年、島々で遺骨収集活動が行われ、国内の12の地域から関係する活動家が参加している。南サハリンとクリル諸島の解放中に亡くなった英雄たちの遺骨は、記念碑に埋葬されている。捜索隊によって発見された貴重な遺品は、ユジノサハリンスクの勝利博物館・記念館に収蔵されている。(astv.ru 2024/11/6)

北緯50度国境の村で1945年8月11-12日の半田沢の戦闘が再現された。愛国意識高揚のためサハリン州が資金負担し、リマレンコ知事も観覧した(citysakh.ru 2023/8/12より)

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