来年3月1日から、サハリン–択捉島、同—国後島の航空便に差別化運賃が導入される。サハリン州に登録されていない観光客などの運賃は大幅値上げとなる。リマレンコ知事が10日、サハリン州議会への報告書提出に合わせて発表した。具体的な値上げ幅には言及しなかった。
知事は「当局の決定は多数の市民からの苦情に対応したものだ」と説明した。知事との懇談や手紙の中で、クリル諸島の住民は、繁忙期に旅行会社が観光客のために航空券を大量に買い占めていると訴えた。その結果、休暇、通院、勉学のために飛行機を利用するクリル諸島の住民がチケットを購入できない状況が続いている。
「このような状況を受け、州政府は航空券の値上げを決定しました」と知事は明言した。しかし、地元住民以外の利用者に対する具体的な価格は明らかにしなかった。
サハリンとクリル諸島を結ぶ航空便には、州政府が補助金を出して低く抑えてきたが、こうした地方予算の支出が運賃差別化の決定に大きく影響したようだ。現在の経済状況を考慮すると、この決定は完全に正当化されるものと思われる。
サハリン—択捉島、同–国後島便の現在の運賃は片道9,600ルーブル。経済的に正当な運賃(これらの路線で航空会社が負担する費用)はこの数倍に上る。その分、州政府が年間数億ルーブルを支出して航空会社の運航費用を補助している。
注目すべきは、前サハリン州知事のオレグ・コジェミャコ氏(現沿海地方知事)の在任期間中は運賃の差別化が行われていた。それは約10年前のことだ。しかしその後、クリル諸島への航空運賃は、住所登録地を問わず、すべての利用者に対して均一化された。これもまた地元住民からの多くの要望を受けて実施されたものだ。高額な航空券(地元住民は約5,000ルーブル、州外の住民は約17,000ルーブル)のせいで、本土に登録している親族が島を訪ねることができないと主張していたのだ。将来、航空運賃が再び均一になるかどうかは誰にも分からない。
州議会で航空輸送について議論されたが、海上旅客輸送の料金変更については言及されなかった。クラスヌイ・マヤーク紙(択捉島の地元紙「赤い灯台」)は、サハリン—択捉島、サハリン—国後島の航空便と貨客船の正確な運賃を知らせるよう州エネルギー委員会に正式な要請書を提出した。(「赤い灯台」2025/12/10)

