3月21日、ロシア外務省のセルゲイ・ヴィクトロヴィチ・ラブロフ大臣が75歳になった。
2007年6月4日、北方領土・色丹島への非公式訪問中に、大臣が新設されたばかりのクラボザボツカヤ中等学校(穴澗)を訪問したことを知る人はほとんどいない。
当時、この賓客の到着を取材する任務を負っていたサハリンの優れたフォトジャーナリスト、セルゲイ・クラスヌークホフさんが提供してくれた一枚の写真が、このことを思い出させてくれた。
大臣は、新しい学校を興味深く視察した。そして、集会ホールでは、大臣のために2曲の小さなコンサートが準備されていた。地元のクラブで日本語を勉強している子供たちが、心のこもったオリジナル曲「さくら」を合唱し、その後、ロシアの民族衣装を着たダンスとボーカルのグループが、民謡に合わせて輪になって踊り始めた。
そしてその後、何が起こったか。ポリーナ・イワノヴナ校長は、その場で解雇されそうになった。
「子供たちが日本の歌を大臣に聴かせるとは、なんたることか!」
しばらくして、セルゲイ・ヴィクトロヴィッチは学校に地方行政の代表者を集め、はっきりとこう述べた。
「市民外交はこうして確立されるべきだ。今日のクラボザボツカヤ中等学校のように」
すると、一瞬で場は和み、みんなが「そうだ、そうだ」と頷いて「人民外交官」を祝福するために駆け寄った。
大臣は、率直で、ユーモアがあり、知的で、悲観的ではない。体格も抜群にいい。セルゲイ・ヴィクトロヴィッチが75歳になってもこれらの資質を維持してくれることを願う。そして、シコタンは再訪を待っている。(Shikotan telegraph 2025/3/21)