色丹島のオストロブノイ水産加工場 1億4,000万ルーブル相当の船舶2隻が差し押さえ

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色丹島・斜古丹湾のオストロブノイ水産加工場

色丹島に拠点を置く水産加工会社「オストロブノイ」社の漁船2隻(1億4,000万ルーブル相当)が押収された。

同社所属の漁船「オストロブノイ6号」が2022年に、ベーリング海に敷設された海底光ファイバーケーブルを切断したとして、ロシアの大手通信事業者ロステレコムが2025年4月にサハリン州仲裁裁判所に損害賠償を求める裁判を起こした。損害額は9,262万6,000ルーブルに上る。

ロステレコムは「海底ケーブルの区域でトロール漁をしていた第三者の船舶による損傷が原因である」として、事故現場に船舶のケーブルの一部が残っていたことを示す書類を携えて出廷した。これが、犯人を「特定」した方法の一つであった。

オストロブノイ水産加工場の弁護士は裁判で、同社の船舶が事故に関与したことを否定した。「損傷現場では切断されたケーブルが発見されたが、捜査機関による追跡調査の結果、このケーブルがオストロブノイ6号の漁具に属していたことは確認されなかった」と主張した。

海底ケーブルの修復には2週間かかり、その間、プロバイダーはインターネット速度を大幅に低下させざるを得なかった。これによって顧客からの苦情、契約解除、その他の商業的損失が発生した。その結果、通信回線の復旧費用(高額な水中作業を含む)やその他の損失は9,262万6000ルーブルと見積もられた。

今年6月、原告は水産加工場の会計を凍結し、連邦国家予算機関「サハリン・クリル諸島・カムチャツカ海港管理局」に対し、「オストロブノイ6号」の譲渡、権利移転、担保権設定を含む取引の登録を禁止するよう求めた。裁判所は当初、これらの要求を認めたが、オストロブノイの弁護士は控訴裁判所で同社の資産を擁護した。最終的に控訴は認められ、訴訟は仲裁裁判所に差し戻され、新たな審理が行われた。

ロステレコムの弁護団は、今度は「オストロブノイ12号」の差し押さえを要求した。6号は1999年に台湾で建造され、5,000万ルーブル強の価値がある。12号は2004年にノルウェーで建造され、時価は8,500万ルーブルとされる。原告側の代理人によると、「被告に対して仲裁裁判所に10件以上の訴訟が提起されており、その総額は2億ルーブルを超えている」とされ、水産加工場が債務を返済するのに十分な資金がないのではないかと懸念していた。

オンライン仲裁サービス「My Arbitrator」によると、オストロブノイ水産加工場は15件以上の訴訟の被告となっており、訴訟の請求総額は4億6,077万9129.98ルーブルを超える。そのうち2億1,102万7511.55ルーブルが弁済された。

スヴェトラーナ・クチキナ判事は原告の主張を認め、2隻目の船舶の差し押さえを認めた。数百万ルーブルの損失が発生する可能性があったため、漁業会社の会計の凍結は要求は退けた。損害賠償訴訟は継続中で、次回の審理は2025年10月に予定されている。(sakh.online 2025/9/19)

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