紗那沼

北方領土遺産

【Part 4】リンドバーグ機の「魔空」千島列島上空縦断飛行 窮地を救った落石無線局との交信、ほぼ全記録

1931年(昭和6年) 8月、ニューヨークから北太平洋を横断し千島列島沿いに根室を目指していたリンドバーグ夫妻。8月19日、カムチャツカ地方のペトロパブロフスクから根室港まで1443kmを一気に飛行する予定だったが、「千島の魔空」が立ちはだかった。この地方特有のガス(海霧)である。リンディ機は千島列島で3度の不時着水を余儀なくされたが、その窮地を救ったのは落石無線局と千島列島に派遣されていた農林省の海獣保護監視船だった。当時の新聞からリンドバーグ機(以下、リンディ機)のアン夫人が落石無線局と交わした交信記録を「北方領土遺産」として、時系列で整理した。
北方領土遺産

《Part3》リンドバーグ機の「魔空」千島列島上空縦断飛行 窮地を救った落石無線局との交信、ほぼ全記録

新知島武魯頓湾を出発し根室に向かったリンディ機だったが、根室付近農務深く着水困難のため午後5時、択捉島中央部北岸の紗那湾に向い、同湾に不時着しようとしたが、港内船舶多数停泊し、5分間旋回の後、5時5分無事着水した。不時着水した場所は紗那市街東15町離れたサケ・マス孵化場がある周囲約4マイルの紗那沼である