サハリン州政府は、観光客が増加しているクリル諸島(北方四島)路線など州が補助金を出して低く抑えている航空運賃について、地元住民からの要望を踏まえて、州外から来る観光客の運賃を高く設定する。早ければ3月1日から実施する。
運賃改定が実施されると、ユジノサハリンスク–クリリスク(択捉島・紗那)およびユジノサハリンスク–ユジノクリリスク(国後島・古釜布)間の運賃はサハリン住民が8,500ルーブル、この州に登録されていない観光客などは18,000ルーブルから20,000ルーブルと倍以上になる。
また、ユジノクリリスク–クラボザボツコエ間(色丹島・斜古丹)のヘリコプター便の運賃は地元住民3,500ルーブル、観光客などは6,000ルーブルになる。
クリル諸島は今や人気の観光地であり、需要は絶えず高まっている。このため観光シーズンのピーク時には、旅行業界が顧客のために航空券を大量に買い占めることから、地元住民が航空券を購入出来ない状況が続いている。
リマレンコ知事は昨年12月に行われた住民との直接対話で、地元住民と観光客の運賃を差別化する問題を解決するよう運輸当局に指示していた。
サハリン州運輸大臣のマキシム・ジョゴレフ氏は「観光は私たちにとって間違いなく重要です。しかし、その発展は同胞の利益と矛盾してはいけません。現在、多くの国内目的地へのチケットの正当な価格は4万~5万ルーブルを超えています。しかし、州予算からの補助金により、優遇価格が設定されており、観光客も地元住民と同じ安い料金でチケットを購入できました。今後は地元住民の利益を保護するために、観光客は地元住民よりも多く支払うことになります。これにより、島民のニーズに合わせて販売されるチケットの数が増えると考えています」と語った。
地元住民の利益を第一に考えた運賃の差別化は、海上旅客輸送の分野でも準備されている。(astv.ru 2025/1/24)