ロシア国防省が択捉島と国後島に対艦ミサイルシステム「バル」と「バスティオン」を配備したのは2016年11月22日。専門家によると、最新鋭のミサイルシステムの配備は、ロシアがこれらの領土を保持する決意の表れだという。
まず、増強されたバスティオン大隊が択捉島で戦闘任務を開始し、その後、バル大隊が隣の国後島に展開した。両部隊は、2014年に編成された第72沿岸ミサイル旅団に所属している。

ミサイルを開発したNPOマシノストロイエニヤによると、「バスティオン」沿岸ミサイル大隊は、MZKT-7930全地形対応車に搭載された8台のランチャーで構成されている。各ランチャーは2発のオニキス超音速ミサイルを搭載し、命令を受け次第、即座に発射できる状態にある。大隊には、ランチャー用の追加弾薬を搭載した輸送装填車も含まれている。

「戦術ロケット兵器企業」(KTRV)のウェブサイトによると、「バル」沿岸ミサイルシステム部隊の組織構造は、バスティオン大隊のものとほぼ同様である。「バル」沿岸ミサイルシステムの発射装置は1基あたり、Kh-35ミサイル2発ではなく8発で敵を攻撃する。
ソ連時代、沿岸ミサイル大隊はクリル諸島(この場合、北方領土)に常駐していた。1980年代には、リドゥート対艦ミサイルシステムとルベジ対艦ミサイルシステムを装備した部隊が配置されていた。当時、海軍ミサイル部隊はシムシル島と択捉島に駐留していた。しかし、1990年代前半に島々から撤退し、解散した。島々の部隊を増強することで、ロシアは南クリル諸島の島々を掌握し続けるという決意を表明していると考えられる。

モスクワ郊外のレウトフに拠点を置くNPOマシノストロイエニヤが開発・製造する「バスティオン」沿岸ミサイルシステム(BRK)は、オニクス(ヤホント)超音速ミサイルによって、300~500kmの距離にある敵艦や地上目標を破壊する。最近まで、「バスティオン」ミサイルは敵艦艇にしか攻撃できないと考えられていた。しかし、2016年11月15日、最新の「バスティオン」ミサイルシステムは、ロシア海軍によるシリア攻撃において、複数の地上目標を高精度で破壊することに成功した。
「戦術ロケット兵器企業」(KTRV)が製造した巡航ミサイルKh-35を搭載した「バル」ミサイルシステムは、約300kmの距離にある敵の地上目標および水上目標を破壊できる。(サハリン・メディア2025/11/22)

