北方領土にクリエイティブ産業誘致 モスクワの映画制作会社が千島列島を舞台に映画シリーズ制作

北方四島の話題

クリエイティブ産業の拠点創出を目指しているサハリン州政府は、早ければ来年からクリエイティブ産業に携わる起業家に対して、北方四島を含む千島列島がエリアとなっている「TOR(優先的社会経済発展区域)クリル」への参入を可能にする取り組みを始めた。

※「TORクリル」では現在、観光や漁業など8つのプロジェクトが実施されており、総投資額144億ルーブル、2,400人の雇用創出が見込まれている。

映画、音楽、建築、広告、マーケティング、デザインなどクリエイティブ産業の代表ら100人以上が参加した「ロシアクリエイティブウィーク–極東」フォーラムでサハリン州政府が明らかにした。

州政府デジタル開発省のアレクサンドル・スネギレフ大臣は「TORの恩恵をクリエイティブビジネスに拡大するイニシアチブを考案した。我が国にはまだクリエイティブ産業のための特別な優遇制度がなく、これは前例のない取り組みだ。私たちの制度は、スコルコボやイノポリスよりも優れた基準、つまり利益に対する税金や土地税ゼロ、その他の恩恵があるという点でユニークだ。デジタル技術プラットフォームを構築し、ワンクリックでクリル諸島の優先開発地域に参入できるようにしたい」と語った。

サハリンで開発の可能性があるクリエイティブプロジェクトについて、モスクワの映画制作会社「KDスタジオ」は、サハリンに映画製作拠点を整備することを提案した。

同社は来年、ロシア文化省の支援を受けて、ロバート・スティーブンソンの小説「宝島」をベースに、クリル諸島(北方四島を含む千島列島)を舞台にした映画シリーズを制作すると明らかにした。

また同社は、大祖国戦争勝利80周年を記念したドキュメンタリー映画「イースタン・バスティオン」をサハリン州で制作するため、大統領文化イニシアチブ基金に申請書を提出した。

共同代表でゼネラルプロデューサーのエフゲニー・メレンチェフ氏は「私たちはサハリンに映画制作、アニメーション、コンピューターグラフィックスのスタジオを備えたシステム全体を作り上げたいと考えています」と語った。

ロシア政府はクリエイティブセクターを経済で最も重要なものの1つと位置づけ、2025年2月に「ロシアにおけるクリエイティブ産業の発展に関する連邦法」が発効する。(astv.ru 2024/11/2)

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