千島列島からの日本人強制退去に関する資料公開へ

北方領土遺産

千島歯舞諸島居住者連盟関東支部は、第二次世界大戦中のクリル諸島(※北方領土を含む千島列島)解放後、強制退去となった8,835人の日本人に関する資料を札幌で公開する。この資料は、サハリンから函館への引揚船に乗船した人々のリストで、出入国日、氏名、年齢、職業、送還前の居住地が記載されている。これは、故郷を追われた元千島列島住民の遺族が、これらの資料を活用して親族に関する調査をできるようにするためである。(サハリン・メディア2025/5/18)

北方領土から引き揚げ、乗船名簿を公開 公文書館「時の経過」を考慮

 終戦後、北方領土から樺太経由で北海道に引き揚げた元島民の名簿が20日、東京都内で関係者に公開された。元島民らでつくる千島歯舞諸島居住者連盟関東支部が国立公文書館に保管されているのを突き止め、手続きを経て複写した。支部によると、約8800人分の氏名や年齢などが記されているという。

 元島民らは旧ソ連の占領下、北方領土から強制退去させられた。資料はほとんど残っておらず、元島民らの証言などで伝えられてきた。支部は、そんな歴史をたどる客観的な資料として名簿を役立てる方針。内閣府北方対策本部の担当者は「元島民にとって、自身のルーツを資料でも確認できる意義がある」と話す。

 支部によると、1947年7月~48年10月、元島民らが乗船した延べ16隻の名簿。引き揚げ船ごとに出発・到着港や日付、氏名、引き揚げ前の住所などが記されており、船内で6人が誕生し、21人が死亡した記録も確認されたという。(朝日新聞2025/5/20)

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