サハリンとクリル諸島(北方四島を含む千島列島)で無神論が長く続いた後、サハリンで最初の正教会が開かれたのは1989年になってからだった。この時、南サハリンとクリル教区が設立された。
教区の初代主教アルカディ司教は1993年に北方領土・国後島を訪れ、ユジノクリリスク(古釜布)の地区行政の集会所で3日間、礼拝を行った。
大人も子供も洗礼を受けた。ついこの間まで無神論者だった地区執行委員会、ソビエト共産党地区委員会の職員らが集会所に家族全員でやって来て、アルカディ司教から洗礼を受けたことは驚くべきことだった。3日間で、住民50人以上が正教を受け入れた。

アルカディ司教はテレビで国後島の住民に説教した。司教訪問の少し後、地区の指導者らは、古釜布の下部(旧日本人街)にあった旧チャイカ映画館を正教会として建て替えることを決定した。起業家や漁業者らの資金援助を行い、多くの住民が建設現場で無償で働いた。1993年、旧映画館で定期的な礼拝が始まった。

それ以来、国後島では、公現祭の前夜に毎年沐浴が企画されるようになった。以前は、島のさまざまな場所、特にラグンノエ湖(ニキショロ湖)で行われていた。そして数年前から、市街地から8キロ地点の泉で沐浴が行われている。
今年は、古釜布の三位一体教会での礼拝の後、ネストル司教が8キロ地点の泉の洗礼盤で水を祝福し、国後島住民が伝統を守り、洗礼盤で沐浴することができた。公現祭に氷の穴で沐浴するという伝統は、すでにロシア正教の文化にしっかりと根付いている。(kurilnews.ru 2025/1/19)


