ロシアの日本センターが業務停止へ 覚書破棄はロシア外務省が主導

日ロ関係

ロシア政府の決定により、国内6カ所で運営されている日本センターが業務を停止する。日本政府はこのような措置は受け入れられないと考えていると、日本経済新聞が報じている。

1月18日、ロシア政府は、ミハイル・ミシュスチン首相の命令により、日本側と締結した日本センターの運営に関する覚書を破棄すると発表した。この覚書は、2000年9月に東京で署名された覚書と、2003年6月にウラジオストクで締結された覚書である。

日本センターの活動の本質は、ロシアの新しい市場経済に日本の経験と技術を活かすこと、およびロシアの市場経済のバックボーンを形成する人材を育成することであった。日本とのビジネスを計画しているロシアの起業家も、日本センターでトレーニングを受けた。

さらに、日本センターでは、面接に合格したほぼすべての人が受講できる 4 年間の無料日本語コースを提供した。

最初の日本センターは、1994 年 10 月にモスクワのプレハーノフロシア経済アカデミーのモスクワ国際高等ビジネススクール (MIRBIS) に開設された。1994 年 11 月には、ハバロフスク、1996 年にはウラジオストクとサハリン、2001 年 には日本センターの本部がモスクワ国立大学に設立された。同年 3 月にサンクトペテルブルク、10月にニジニノヴゴロドに開設された。

ロシアにある日本センターの活動は、2003 年 6 月 29 日付の「ロシア連邦政府と日本政府との間のロシア連邦におけるロシア連邦の改革に対する技術支援のための日本センターの活動に関する覚書」およびその他の政府間文書に従って実施された。

日本センターで行われたセミナーでは国際会計基準、事業計画、品質管理、人事管理など、さまざまなテーマが取り上げられ、授業は日本から招聘された専門家によって行われた。研修終了後、優秀な学生には日本での実習に参加する機会が与えられた。

特に、サハリン日本センターによれば、2022年9月時点で700人を超える島民が日本を訪れ、さまざまなビジネス分野でインターンシップを行っている。

現在、サハリン日本センターのウェブサイトにはこの状況に関する情報は掲載されていない。

日本政府の林官房長官は20日、ロシア側が日本センターに関する覚書を一方的に破棄した決定は受け入れられないとしたうえで、「ロシア側から事実確認を受けた後、日本政府は適切な措置を講じる」と述べた。

同氏は、露日関係が非常に緊張している現在の状況において、日本センターは政治に関与することなく、ロシアでのビジネスを行う日本企業への支援や、市民レベルでの相互理解の促進に取り組んでいると指摘した。

モスクワの日本大使館は、ロシア側からまだ何の通知も受けていないと報告し、どのような対応をすべきか検討すると付け加えた。

日本経済新聞は、日本センターの活動停止は、日本が国際的な対ロシア制裁に参加したことが原因としている。ロシアにおける日本センターの活動に関する覚書を取り消すというアイデアはロシア外務省のもので、同省はその後、日本側にこの決定を正式に通知する。

また、2022年3月21日に採択されたクリル諸島南部(北方領土)の帰属問題に関する交渉プロセスから撤退するというアイデアもロシア外務省が持ち出した。この決定は、日本政府が国際的なロシア制裁に参加したことを受けて採択されたもので、南クリル諸島の住民と日本国民の間のビザなし交流プログラムなど、いくつかの政府間プログラムが縮小されている。(sakh.online 2025/1/20)

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