昨年11月、北方領土・択捉島の人気観光地「白い崖」(太平洋側のビラ海岸)でツアー客がクマに襲われ重傷を負った事件で、クリル地方検察当局はツアーを企画した同島の起業家でガイドを務めていた男性を起訴した。起業家はツアー客の生命と健康の安全に関する要件を満たさないサービスを提供し、過失により人体への重大な危害を引き起こしたとして、最長6年の懲役が科せられる可能性がある。
事件を捜査していたサハリン州ロシア連邦捜査委員会のコルサコフ地区捜査局が提出した起訴状によると、2024年11月12日、択捉島で観光事業を営む起業家が、プロストル湾の公式観光ルートに沿ったツアーを実施した。その際、ガイド役の起業家は観光ルートを外れて「白い崖」の渓谷を登るために脇道にそれることを提案。新しい体験を熱望していたツアー客は提案に同意したが、その後、予期せぬ事態に遭遇した。
起業家は、渓谷の頂上がヒグマの生息地であるにもかかわらず、ツアー客と一緒に登り、そこでクマに襲われた。この時、起業家はクマから身を守るための必要な手段を持っていなかった。その結果、ツアー客は頬骨を損傷し、一部頭皮が剥がれる重傷を負った。
刑事事件は択捉島のクリル地方裁判所に送られている。危険なツアーを企画した起業家は、ロシア連邦刑法第238条第2項「c」の規定により、最高6年の懲役という重い刑罰を受ける可能性がある。(astv.ru 2025/2/4)

