国後島、色丹島、歯舞群島を管轄する南クリル地区のロシア内務省当局は2024年の犯罪白書をまとめた。内務当局が受理した犯罪、行政違反、事件の通報件数は20.4%増加し、997件となった。住民からの通報が増加したことが要因。
地区内で登録された犯罪は81件で、このうち59件が解決。検挙率は72.8%となった。南クリル地区の1万人当たりの犯罪率は70.6件で、サハリン州(平均181.3件)で最も低い水準を維持している。
特に重大な犯罪が2件、重大犯罪が14件、中程度の犯罪が22件、軽微な犯罪が43件登録された。内容は、水生生物資源の違法採取(密漁)1件、暴行1件、恐喝1件、性的犯罪3件、違法薬物取引4件、経済犯罪4件、他人の財産の窃盗7件、詐欺12件、IT技術の分野での犯罪24件など。
2024年は殺人、強姦、強盗、放火、フーリガン行為、違法な武器密売に関連する犯罪、車両の違法押収は発生しなかった。
一方、内務当局が特定した行政違反は合計 2,605 件。行政責任を問われた人の数が最も多かったのは、飲酒や酩酊状態で公共の場に現れたことで 248 人、軽犯罪で 56 人、未成年者を育てる親の責任を果たさなかったことで 21 人、医師の処方箋なしで麻薬を保管、使用したことで 10 人、移民法違反で 68 人が行政責任を問われた。
交通規則違反の件数は 2,018 件。そのうち 77 人がアルコール中毒の兆候がある状態で車を運転したことで責任を問われ、196 人が運転免許を剥奪された。交通事故の発生件数は53件で、4人が負傷した。
また、同地区では公にロシア軍の軍事作戦の信用を傷つける行為を禁止する行政犯罪法第20.3.3条に違反した行為は認められなかった。(kurilnews.ru 2025/2/11)