テレグラム「南クリル諸島の観光」に掲載されていた国後島のバスの写真を見て、おやっと思った。ビザなし渡航が普通に行われていた最後の年の2019年までは、国後島を走るバスはマイクロバスだったが、何と何とちょっとゴージャスな中型観光バスのような車両に変わっていた。

北方四島のバスと言えば、元島民が居住地跡を訪ねる自由訪問などで使用されたウラル社の6輪駆動オフロード型バストラックを思い出す。日本製の4輪駆動車が砂とコンブに絡み取られて立ち往生する中、無敵のウラルは岩場も砂地も何のその。このバストラックがなければ、海沿いの道なき道を突き進み、川をザブザブ横断し、居住地跡や墓地までたどり着けなかった。2020年時点の価格で1台400万ルーブルくらいだった。


ちなみに、国後島の路線バスは2021年時点で島の中心地・古釜布を起点にした4路線があった。ユジノクリリスク(古釜布)–メンデレーボ–ドゥボボエ–ゴロブニノ(泊)線、ラグンノエ(ニキシロ)線、ゴリャチー・プリャジ(瀬石)線、トレチャコボ(秩苅別)線。
当時のサハリン・インフォの記事によると、運行を請け負う業者は契約で定められた車両数を確保し、運行スケジュール、適正な料金(2021年は乗客1km当たり4.2ルーブル)で営業することが求められる。例えば、ユジノクリリスク–ゴロブニノ線(往復115km)の場合は月–金に16~18便、週末は8~10便を提供する必要があった。