ロシアのアービイディンニョンネン(※ユナイテッド)造船会社 (OCK) は、国際シンポジウム「未来の創造」で、北極クルーズ船開発プロジェクト「クナシル=国後」を発表した。
設計したのは同社傘下のアルマズ中央海洋設計局で、ゼネラルディレクターのコンスタンチン・ゴルベフ氏によると、プロジェクト 23550 の氷級巡視船 ARC 7イワン・パパニンをベースとした汎用プラットフォームとして開発され、最大100人の観光客を乗せることができる。
海上クルーズのほか、北極海での旅客輸送、設備のない海岸や無人島への上陸に使用されることを想定。クリル諸島(北方四島を含む千島列島)やカムチャッカ半島への観光での利用が期待される。
クナシルは全長 112 メートル、幅 20 メートル、喫水は 7 メートル。 16 ノットの速度で航行できる。無人機とヘリコプターの利用が可能で、ホバークラフト 2 隻と特別に設計されたボートが搭載されており、氷山の観光や調査が可能になる。客室は37室で22 ~ 59 平方メートルの広さ。食料と真水の供給に関する自給自足期間は 35 日間。
ARC 7クラスの船の砕氷能力は厚さ1.7 m の固い氷。これにより北極での航行時間を大幅に延ばすことが出来、北極圏はよりアクセスしやすく、観光やビジネスにとって魅力的な場所になる。
ゴルベフ氏によると、OCK の2つの工場ですでに生産が開始され、必要な設備は整っており、すべての技術プロセスが確立されているため、生産性が向上し、船舶のコストが削減されるという。早ければ3~4年後にはクナシルで北極圏への旅に出られるようになる。(タス通信2024/11/12他)