日本の巡視船がロシア領・国後島の沖合で、事前の警報なしに機関銃と照明弾を発射する訓練を行った。NHKや読売新聞を含む日本メディアによると、5月23日朝、海上保安庁巡視船「かわぎり」(根室管内市羅臼町)は、知床岬北東方で13mm機関銃による訓練射撃を実施し、66発の射撃を行った。航行警報が発令されていなかったことが訓練中に判明し、直ちに中止された。海上保安庁は、射撃当時、付近に他の船舶はおらず、被害の報告も受けていないとしている。
ロシアのTelegramチャンネルSakhShipは、日本の情報筋を引用し、当初、この事件はロシア領海内の国後島西方で発生したと報じたが、日本のメディアは発生場所を北海道沖と特定した。SakhShipはまた、この事件に関して日本はロシア側から何の通知も抗議も受けていないと書いた。
注目すべきは、今回の日本の巡視船による事件は、ロシアが4月16日から6月14日まで、南クリル諸島(※北方領土)海域の複数の海峡について外国船舶の通航を禁止した時期に発生したことである。この閉鎖措置は、ロシアがこの海域、特に色丹島付近で実施している軍事演習に関連している。日本は外交ルートを通じて抗議し、国連海洋法条約違反(※無害通航権)と指摘した。また、日本が択捉島、国後島、そして小クリル列島(色丹島、歯舞群島)を「不法に占領された、歴史的に日本の領土」とみなしていることも、緊張を高めている。
これらのことを踏まえると、事前警報なしに行われた日本の巡視船の射撃訓練は、係争海域におけるロシアの演習に対する報復的なデモンストレーションであった可能性も否定できない。(sakh.online 2025/5/29)