北海道東部で鳥インフルエンザ過去最多 北方領土でも確認 日ロ合同での対策強化が必要

北方四島の話題
根室沖で発見されたケイマフリの死骸 (外山雅大学芸員撮影)

高病原性鳥インフルエンザウイルスが北海道東部で前例のない速さで蔓延している。昨年9月に渡り鳥が飛来し始めて以来、すでに125件の感染例が記録されており、これは昨年の1.7倍に相当する。絶滅の危機に瀕しているラッコとアザラシで初めて感染例が確認された。

北海道新聞によると、日本の研究者たちは、北海道だけでなく、日本の「北方領土」である色丹島、国後島、小クリル列島(※この場合、歯舞群島)でも確認されており、この状況は緊急かつ大規模な対策を必要としていると報じている。

「日本でこれほど大規模な感染拡大は初めてです。海洋動物にも感染が見られます。引き続き状況を注視していく必要があります」と、「根室市歴史と自然の資料館」の外山雅大学芸員は述べている。

今年4月、外山氏は、根室市の海岸で、目が充血し衰弱したアザラシを発見した。5月初旬には、釧路市の海岸でラッコの死骸を発見した。どちらの動物も鳥インフルエンザに感染していた。日本における哺乳類の感染例は今回が初めてだ。サハリンでは、このウイルスによるオットセイの死亡例がこれまでにも報告されている。

外山氏と同僚たちは、根室地域の北海道東海岸で調査を行い、ケイマフリやウミガラス、ウミスズメなど、希少種を含む鳥類680体の死骸を発見した。90%は鳥インフルエンザに感染していた。外山氏は、早期に感染を検知できるシステムの開発が急務だとしている。Sakh.onlineは以前、4月1日に色丹島と択捉島近海で、H5N1型鳥インフルエンザウイルスに変異した海鳥の死骸が多数発見されたと報じた。

しかし、政府間関係の悪化により、特に南クリル諸島が日露関係において係争地域となっていることを考えると、情報交換は現在困難を極めている。

北大大学院獣医学研究院の迫田義博教授(ウイルス学)は、今秋、特に北海道や千島列島において鳥インフルエンザの発生は予想外ではないと考えている。ロシアと日本が協力してこの脅威に対抗することが重要になっている。(sakh.online 2025/6/6)

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