北方領土の国後島で今年1月、クリル自然保護区の研究者がハヤブサを2度観察した。冬季に観察されたのは2002年以来、23年ぶりとなる。
同自然保護区の鳥類学者セルゲイ・ステファノフ氏は今年1月13日にグルホエ湖(東沸のポント沼)付近で確認し、カメラに収めた。さらに、1月24日には同僚のミハイル・ラギモフ氏も島の北部ドブリ川の河口でハヤブサを目撃した。
この事実はハヤブサが冬季に国後島に留まるか、あるいは生息している可能性を示唆している。
1988年、1991年、2002年には、冬に国後島でハヤブサとの遭遇が記録されている。1988年の記録には、プロスコゴルヌイ岬付近で目撃された。1991年には、ティアチノ(乳呑路)付近で1羽が目撃され、2002年には鳥類学者のマリア・ウシャコワ氏が遭遇を報告した。
1960年代以降、南クリル諸島(北方四島)ではハヤブサの営巣が確認されており、この時期には多くの目撃例が記録されている。しかし、この優れた捕食者でさえ、汚染、食料不足、繁殖期の妨害などの脅威に直面しており、生存に問題が生じている。
ハヤブサはFalco peregrinusとして知られ、ロシアとサハリン地域のレッドブックで保護されているハヤブサ科の猛禽類。世界最速の鳥で、急降下中は時速322 kmを超える。
ハヤブサの体長は38~50cmで、メスはオスよりも大きく、体重は最大800g。2歳で成熟し、一夫一婦制のつがいとなり、生涯一緒に暮らす。求愛の一環として、パートナーの爪を噛むなど複雑な儀式を行うこともある。
ハヤブサは通常、崖の上に巣を作り、岩盤の隙間や、時にはアカウの巣を利用する。通常1~4個の卵を産み、メスのみが抱卵する。幼鳥は孵化後約45~50日で飛び始める。(sakh.online 2025/2/14)



