千島の春「4月には3つの吹雪がある。1つは過ぎ去り、2つはこれからだ」

国後島の話題

2026年4月、国後島と色丹島。春は訪れたが、その訪れはゆっくりとしている。南クリル諸島では、4月は単なる暦の変わり目ではなく、自然との日々の交渉なのだ。

「外出してもいい?」「いいわよ。でもウィンドブレーカーを着て、魔法瓶を持ってね」

気温は-1℃から+7℃の間を揺れ動く。決意と慎重さの境界線上に位置するような気温だ。国後島では、チャチャ火山(爺爺岳)が春をどこか懐疑的に見つめている。雪はなかなか溶けず、まるで暖かさが本当に来たのか信じていないかのようだ。黒い斜面が雪の鎧の下から徐々に姿を現し、まるで火山が冬の装いから春の装いへと、ゆっくりと、しかし威厳をもって変化しているかのようだ。

色丹島は、少し暖かく、日差しも格段に強い。まるで島が「春の訪れを一番に告げるのは私よ。あなたは?さあ、想像してみて」とでも決めたかのようだ。

降水量は?そう、たっぷりある。月に12日から18日は雨の日だ。しかし、本当の面白さは別のところにある。クリル諸島では傘があまり使われないのだ。輸入されていないからではなく、風が傘を邪魔するからだ。傘を開いて外に出ると、1分後にはパラシュートが空を飛ぶように海に向かって飛んでいく。まるでパラシュート部隊のいないパラシュートのように。地元の人々は、ずっと昔からこう決めている。「風と戦うより、濡れる方がずっと楽だ」と。

しかし4月末になると、雪解け水が流れ始め、小川が流れ、稀ではあるが明るい日差しが差し込むようになる。「これだ、今度こそ春の勝ちだ」と誰もが思う。ところが、風がこう言い放つ。「勝ち?明日まで待ってみろよ」。

そして、クリル諸島の古い諺を思い出す。「4月には3つの吹雪がある。1つは過ぎ去り、2つはこれからだ。」

まるで脅し文句のようだろうか? 実は、これは春の訪れを知らせる言葉に過ぎない。春はまるで、ドアをノックしては気が変わり、去っていき、数日後に暖かさと太陽の光とともに戻ってくる客人のようだ。

しかし、それこそがこれらの島々の本質なのだ。予測不可能な美しさ、人間に合わせようとせず、ただそこに存在する自然の力。

だから、もし2026年4月にここを訪れるなら、暖かい服、丈夫なブーツ、温かい飲み物を入れた魔法瓶、そしてユーモアのセンスを忘れずに。なぜなら、国後島と色丹島では、天気は単なる天気ではなく、島の個性そのものだからだ。(国後島の地元紙「国境にて」2026/3/29)

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