色丹島住民、治安悪化を心配　住民3,000人に対して警察官はわずか4～5人

❐北方四島の話題

　サハリン・インフォ2019/10/22

●…サフ・コム通信が色丹島に記者を派遣し、地元住民が抱える問題について直接聞きとるダイレクトラインがマロクリリスコエ(斜古丹)行われた。2時間で10人が訪れ、老朽住宅からの住み替えや失業、道路整備、交通アクセスなど幅広い分野で問題が指摘された。

●…このうち、企業家のイーゴリ・トマソンさんは警察官の不足を心配している。色丹島の住民は3,000人だが、警察官は4～5人に過ぎない。人口が7,000人の国後島の10分の1だ。最近、色丹島沖で火災を起こした洋上加工船から救助された乗組員360人が色丹島に上陸する出来事があったばかり。今後、新しい水産加工場に大陸から多くの労働者が入ってくると、島の住民との間で混乱や治安の悪化を招く危険性もある。

●…南クリル地区の特徴は住民が国後島と色丹島に分断され、移動は必ずしも容易でない。色丹島の住民は、自分たちは残り物とパンくずだけが与えられる、いわば愛されていない弟として扱われていると思っている。

●…南クリル行政府で色丹島を担当する副市長のセルゲイ・ウーソフ氏は「4年前、学校は1963年に建てられたバラック同然の校舎で、寒さから子供たちは教室でもジャケットを着込んでいた。今は新しい学校があり、幼稚園、スポーツセンター、文化の家、公園も整備された。交通アクセスも改善されている。4年前、国後島とのはしけの運航は週2回だったが、今は週4回に加えてヘリコプターが週2回運航している」と強調した。

●…今後2、3年で色丹島住民の生活は快適なものに変わっていくだろう。島内では新しい住宅が建設され、アスファルト道路も登場する。海上輸送に建造中の新造船が投入される。