サハリンで最古の日本建築から樺太統治時代の文書多数見つかる
「樺太守備隊司令官舎」改修工事中、壁の内側に「秘密の書棚」

サハリン

                                 (タス通信2024/10/8)

ユジノサハリンスクにある文化観光センターの大規模な改修工事で、日本統治時代(戦前の樺太時代)の文書が多数発見された。

ネベリスカヤ通りにある、この建物は日本が統治していた1908年に建てられ、治安部隊司令官の住居として使われた。その後、歴史博物館の展示室となり、1945年まで日本軍憲兵隊が入った。1945年から2021年まで、ソ連とロシアの軍事機関が入り、最後には軍駐屯地裁判所が置かれていた。現在は文化観光センターが入っている。

サハリン州政府のノンナ・ラヴリク文化大臣は「暖房システムの大規模な改修のおかげで、思いがけない発見がありました。暖房器具が置かれた壁やニッチを解体したところ、秘密のキャビネットが出て来ました。その中に日本語とロシア語の両方で書かれたさまざまな文書が保管されていました」と語った。

発見された文書はサハリン州国立公文書館に移送され、専門家による調査研究が行われ、その歴史的価値と重要性が判断される。

【参考】樺太時代の日本建築「樺太守備隊司令官舎」がユジノサハリンスク市に移管、保存へ        (サハリン・インフォ2021/9/16)

1908年、樺太時代に日本が建てた「樺太守備隊司令官舎」は、最近まで軍事裁判所として使われてきたが、今年5月に軍事裁判所が新しい建物に移転したため、サハリン州裁判官評議会が歴史的、文化的に価値ある建造物として保存するよう、ロシア国防省とサハリン州政府に要請。ロシア軍の東部軍管区司令部がこの要請を承認したことから、ユジノサハリンスク市は所有権移転に取り組んでいる。樺太守備隊司令官舎は1917年頃から樺太博物館として利用された。1937年に新しい博物館が出来ると、樺太憲兵隊の本部として使われた。現存する樺太時代の日本建築としては最も古いとされている。

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