サハリン州労働監督局は州検察局と連携し、「倒産」リスクを示す兆候が確認されたことを受け、択捉島の有限会社「アトール」に対する抜き打ちの現地調査を実施した。調査の結果、労働法違反(賃金やその他の義務的な従業員への支払いを所定の期限までに行わなかった、あるいは全額支払わなかったこと)が明らかになった。
州労働監督局は「労働監督局の命令に従い、雇用主は未払い分を全額支払いました。104名が支払いを受け、総額は800万ルーブルを超えました」と報告している。
2025年1月13日にクリルスク(紗那)で登記された「アトール」社は、ロストフ・ナ・ドヌに拠点を置く株式会社「ドンギス」の子会社である。このロストフの企業は、キトヴィ村(内岡)における集合住宅(18戸)および幼稚園(定員110名)の建設工事の請負業者。一方、「アトール」社は労働力の確保と実際の建設作業を担っている。
もっとも、「担っている」という表現は正確ではないかもしれない。外部から見ると、実際の契約履行というよりは、活動している「ふり」をしているようにさえ見える。期限はとうに過ぎているにもかかわらず、プロジェクトは停滞したままだ。「アトール」社の人員配置の状況(本来なら少なくとも150名が必要なところ、現場には現在10数名しかいない)を考えれば、こうした結果になるのは必然と言える。
同社が賃金未払いで問題になるのは今回が初めてではない。1月にも、クリル地区検察局の介入を受けて、アトール社は総額2,100万ルーブルを超える未払い賃金を支払っている。検察による調査の結果、当該建設会社が2025年9月から11月にかけて、従業員(154名)に対し総額2,100万ルーブル以上の未払い賃金を抱えていることが判明した。これを受け、検察官は同社CEOに対して正式な是正勧告を行うとともに、同社に対する行政手続きを開始した。
どうやら、これが「常習化」しているようだ。地元財政にとって唯一の救いは、同社(アトル社)がクリリスクに登記されており、税収が地元に落ちることだ。「無いよりはマシ」というやつ。しかし、それ以外の点については……まさに惨状と言うほかはない。(択捉島の地元紙「赤い灯台」2026/7/22)

