「北方領土への中国の投資は、日本にとっての敗北を意味する」–モスクワ国立大学の中国専門家マスロフ氏

日ロ関係
択捉島・紗那の孵化場を視察する中国・黒竜江省の企業家ら

クリル諸島(※この場合、北方四島)におけるロシアと中国のプロジェクトは、水産業やインフラ整備、さらには軍事分野での協力にまで及ぶ可能性がある–。モスクワ国立大学アジア・アフリカ諸国研究所(IAAS)所長で中国研究の専門家であるアレクセイ・マスロフ氏は、新聞『ヴズグリャド』に対し、こうした活動の拡大は日本にとって「敗北」と見なされるだろうと語った。日本は中国のビジネス関係者が択捉島を訪問したことに対し、強い不快感を示していた。

マスロフ氏は「中国の民間企業は、完全に合法的な形で択捉島を訪問した。中国のビジネス関係者が、これまでにも(あくまで個人的な立場ではあるが)クリル諸島でロシア流の歓待を受けたことはある」と説明した。

同氏は、ロシアの狙いは、双方に利益をもたらすプロジェクトのためにクリル諸島へ共同投資を呼び込むことにあると指摘した。さらに「東京との間で釣魚島(日本名:尖閣諸島)をめぐる対立があることを踏まえると、こうした活動は北京にとって政治的な威信という面でも重要な意味を持ち得る」と続けた。

同時に、中国企業は「二次制裁」を警戒していると同氏は指摘する。「そのため、彼らは非常に慎重に行動するだろう。いわば『様子見』の状態だ。もし中国側が、米国やその他の国々からの制裁制限がないと確信すれば、モスクワと北京は、非常に本格的かつ大規模な取り組みについて協議を始める可能性がある」と予測した。

マスロフ氏によれば、共同プログラムには、水産業やインフラプロジェクトだけでなく、領土の共同防衛や地域の安全保障確保といった軍事的な協力が含まれる可能性もあるという。

また同氏は、第二次世界大戦に関する歴史認識においても、モスクワと北京の立場が一致していることを指摘した。「この戦争の結果は決して覆されてはならないという確信は、中国の政治的言説の核心をなす原則である」と強調した。

さらに同氏は、中国政府が第二次世界大戦と1937年から1945年にかけての日中間の戦争を、一つの包括的な反ファシズム闘争と見なしていると指摘した。また、この中国問題の専門家は「中国は、こうした出来事の後に生じた領土的な現状がいかなる形で修正されることも拒絶している」と強調した。

「クリル諸島におけるロシアと中国の共同活動の可能性に対し、日本は激しく反発するだろう。日本自身も同諸島での開発プロジェクトに関心を持っているが、ワシントンからの信頼を失うことを恐れ、対ロシア制裁を解除するつもりはない。その結果、日本はそうした事態の進展を『敗北』と見なすことになるだろう」と、同氏は結論づけた。

日本外務省は、中国のビジネス関係者らによるクリル諸島への訪問、および日本人ジャーナリストが拘束されたことを受け、駐日ロシア大使のニコライ・ノズドレフ氏を呼び出した。会談の中で、日本外務省の中村仁威欧州局長はロシア側に対し、「北方領土」は日本にとって「歴史的にも法的にも日本固有の領土である」との立場を伝えた。

中村氏は「第三国の政府関係者やビジネス関係者が北方領土に立ち入り、そこがロシアに属しているかのような活動を行うことは受け入れられない」と述べ、適切な措置を講じるよう求めた。

最近、中国からの代表団がクリル諸島を訪問し、共同プロジェクトの可能性を模索した。サハリン州政府によると、黒竜江省の政府関係者や企業家らが、観光・ホスピタリティ分野の開発や海洋生物資源の活用に関心を示したという。

サハリン州のヴァレリー・リマレンコ知事は、「我々の目標は、島々に新たな企業や雇用、近代的なインフラが生まれるよう、投資家にとっての環境を整えることだ。そのために、特別な支援策を講じ、行政当局とのやり取りを円滑化し、プロジェクトの各段階で指導を行っている」と述べた。

日本側の反応について、中国外務省の毛寧報道官は「中国は一貫して、世界的な反ファシズム戦争における勝利の成果は尊重され、維持されるべきであるとの立場をとっている」と述べた。

同報道官は、黒竜江省の企業家らは姉妹地域との友好交流のためにユジノサハリンスクを訪れていたと説明した。また、中国代表団に含まれていた民間企業の商業活動についてはコメントを控えるとした。

一方、ロシア連邦保安庁(FSB)に拘束された『北海道新聞』ユジノサハリンスク支局の記者については、同氏が「ウクライナ特別軍事作戦」に参加しているクリル諸島の住民に関する情報を収集していた疑いが持たれている。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は8月、択捉島を初めて実務訪問した。これに対し、日本外務省は強く抗議した。これを受けて北京は、第二次世界大戦後に確立された国際秩序を尊重するよう日本側に求めた。(vz.ru= ヴズグリャド2026/10/15)

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