海洋温暖化の中で中部千島シムシル島から第4千島海峡の海域は冷却化

千島列島

欧州の気候変動監視サービス「コペルニクス」によると、2026年8月、世界の海面水温の1日平均値が過去最高を記録した。これは2024年3月に記録されたこれまでの最高値を上回り、21.9℃に達した。

この現象は、世界的な海洋の長期的な温暖化と、熱帯太平洋における極端なエルニーニョ現象の発生に関連しているとされる。世界気象機関(WMO)によると、エルニーニョ現象は今後数カ月でさらに強まると予想されており、季節予報では、ここ数十年で見られなかったほどの規模に達する可能性があることが示唆されている。

ロシア科学アカデミー・P.P.シルショフ海洋学研究所の実験海洋物理学研究室に所属する若手研究員、エリザヴェータ・クルグロワ氏は、サハリンメディアに対し、海洋温度の上昇がサハリン州に及ぼしうる影響と、同地域の気候がどのように変化するかについて語った。同氏によれば、海洋温度の上昇は世界的な温暖化の重要な指標ではあるものの、サハリンやクリル諸島(北方四島を含む千島列島)周辺の海域に直接的な影響を及ぼすわけではないという。

地球温暖化によって地域の水温が上昇する可能性はあるが、それと同時に、海流、水塊の移動、大気循環、鉛直混合、そして海氷の状態といった様々な要因が影響を及ぼす。そのため、サハリン州内の各地域における変化は、場所によって大きく異なる可能性があると専門家は説明した。 1984年から2023年までのデータを用いたオホーツク海南部に関する最近の研究により、宗谷暖流の海域で顕著な温暖化が進んでいることが明らかになった。これは日本海から暖かい水が流入したことに関連しており、単に海面付近が局所的に温暖化したというだけでなく、海洋循環そのものが変化したことを意味している。論文の著者らが指摘するように、こうした変化はオホーツク海北部における海氷の形成によって相殺されており、海域全体に及ぶものではなく、あくまで局所的な現象にとどまっている。

クリル諸島周辺もまた、空間的な不均一性が強いことが特徴だ。1998年から2022年までの衛星データによると、沿岸の冷たい海域の外側では夏から秋にかけて水温が上昇する傾向がある一方、一部の島の周辺では依然として非常に冷たい水が維持されている。

その一方で、一部の島々や、今回の研究対象となったオホーツク海の一部海域では、海面水温が低下傾向を示しており、これは地球温暖化に伴う全体的な温暖化の傾向とは矛盾する結果となっている。

したがって、サハリン州全域で水温が上昇していると一括りに語ることはできない。海洋システムは複雑な反応を示しており、熱輸送、海氷の形成・融解の時期、海流、そして大気循環といった要素がすべて変化している。その結果、オホーツク海南部のように温暖化が進む地域がある一方で、シムシル島から第4千島海峡(パラムシル島=幌筵島とオネコタン島=温禰古丹島の間を隔てる海峡)にかけての海域のように、冷却化が進む地域も存在する。

専門家は、異常気象のすべてを海洋の温暖化と直接結びつけるべきではないと強調している。サハリンやクリル諸島は、歴史的に海洋と大気の相互作用が活発な地域に位置しており、夏から秋にかけてサイクロン(低気圧)、激しい降水、強風などが頻繁に発生する場所。

気候変動は、こうした気象現象が発生する際の条件を変化させうるものである。水温の上昇は海洋・大気システムにおける熱と水分の量を増加させ、海洋熱波は、海洋と大気の間での熱や水分の交換をさらに促進する可能性がある。世界的な規模で見れば、これは沿岸地域における極端な降水の増加の一因となり得るが、サハリンで発生するあらゆる嵐の原因を、安易に海洋の温暖化に帰するのは誤りである。

しかし、この地域ではすでに気候変動の兆候が記録されている。ロシア科学アカデミー海洋学研究所の専門家によると、近年の気象データから、サハリンにおける年平均気温の上昇が確認されているという。

島嶼部であるこの地域は大陸部とは異なり、その気候は周囲の海の状態や地域的な大気循環に大きく左右される。そのため、地球規模の気候変動も、この地域では異なる形で現れる。個々の極端な気象現象の性質――その強さや持続期間、あるいは他の危険な現象との複合的な発生状況――は変化する可能性があるが、正確な傾向を把握するには、地域独自の観測データに基づいた評価が不可欠である。

同研究者によれば、海洋の温暖化は、特にサイクロンや台風に伴う個々の豪雨の激しさを増大させる可能性がある。ただし、ロシア連邦水文気象環境監視局の見解では、サハリンやクリル諸島において、統計的に有意な長期的な降水量の増加を予測するには、現時点では時期尚早という。

同局が以前「サハリン・メディア」に語ったところによると、地球規模の気象現象である「エルニーニョ」の影響により、サハリンおよびクリル諸島では、この冬の降雪量が少なくなる可能性がある。専門家は、「エルニーニョ発生年の降水量を分析すると、2026年の7月と8月にはサハリンで降水量がわずかに増加する可能性がある。しかし、冬に関してはその逆で、エルニーニョ発生時にはサハリンの降水量は減少する見込みです」と説明している。(サハリンメディア2026/10/16)

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