故郷への帰還
ロシアでは10月5日は「教師の日」–。クリル諸島の択捉島出身のアラ・マカロワさんは、大学卒業後に故郷に戻った。クリリスク(紗那)にある「ロシアの英雄エドゥアルド・ノルポロフ中等学校」(※プーチン大統領が視察した中学校)で歴史教師兼生徒指導担当副校長を務めるアラ・マカロワさんは、自身を択捉島生まれの2世だと考えている。
「母方の祖父が最初に択捉島にやって来ました。祖父は長年、孵化場で働いていました。家族の人生はすべて択捉島と結びついています。母は衛生疫学ステーションで働いており、専門は寄生虫学です。父は通信関係の仕事をしていました。偶然ですが、姉(妹)も教育関係の仕事をしていて、クリリスクに住んでいます」とアラ・レオニドヴナさんは語った。
学生時代は人文科学の科目を好み、多くの本を読んでいた。その結果、自分にとって魅力的だと思える職業を選んだ。高等教育は本土で受け、イジェフスクの大学に入学し、無事に卒業した。
「すぐに教職のオファーをいただきましたが、まだ心の準備ができていないと感じて断りました。その後、再びお話をいただき、今では10年以上教壇に立っています」とアラ・レオニドヴナさんは言う。現在、マカロワさんは中学生に歴史を教えている。
「古代から現代のロシアに至るまで、非常に長い期間を扱います。個人的には、国内でペレストロイカが始まった時期、つまり現代が最も興味深いと感じています」と彼女は話した。
アラ・レオニドヴナさんは、あらゆる機会を捉えて専門能力の向上に努め、研修コースにも参加している。しかし、サハリンや本土から隔絶されたクリル諸島という環境は、どうしても影響を及ぼしてしまう。「インターネットは本当にありがたい存在です。教育関係者のコミュニティで何が起きているかを知ることができますし、同僚が考案した興味深い指導法を取り入れて、自分の授業に活かすこともできますから」と語った。
歴史の授業に加え、アラ・マカロワさんは生徒たちとの課外活動にも携わっている。最近では、クリル諸島の児童・生徒からなる2つのグループが、全ロシア規模のコンテスト「ヴィクトリア」に参加し、見事入賞を果たした。
アラさんとエフゲニー・マカロフさん夫妻は、3人の子供を育てる大家族。「私は択捉島で結婚しました。夫もクリル諸島の出身なのですが、実はこの地域では珍しいことなんですよ。子供は全員男の子で、長男は13歳、末っ子は2歳半です。母親が教師だと子供たちは大変かって? 実は、大変なのは私の方なんですよ」と彼女は笑う。
マカロフ一家の生活は、今後何十年にもわたって学校教育と深く関わっていくことになりそうだ。長男が学校を卒業する頃には、末っ子がちょうど学校に通い始めることになるからだ。

アスリートとしての人生
クリル諸島の多くの住民にとって、アラ・マカロワは真のアスリートの輝かしい模範となっている。「私はトライアスロンに取り組んでいます。ここには素晴らしいトレーニング施設があります。『コサトカ』スポーツ・健康複合施設のプールで水泳のスキルを磨くことができますし、外海で泳ぐのも大好きです。体が冷えないようにウェットスーツを着ています。ランニングやサイクリングの環境も最高です。ただ一つ、クマに遭遇しないことを祈らなければなりませんが…」と彼女は冗談交じりに語る。
クリリスクでは、ビーチ・マルチスプリント大会「コースト・タイタン」が開催された。主催者が考案したコースは、ネットの下をくぐる、丸太の上を渡る、海岸沿いでSUP(スタンドアップパドルボード)を漕ぐ、砂浜を走るといった、挑戦しがいのある内容だった。アラ・マカロワは誰よりも早くこれらの課題をクリアし、「コースト・タイタン」の称号と、スプリント優勝の金メダルを獲得した。
アラ・レオニドヴナさんは、宇宙飛行士訓練センターの基準に基づいた体力テストにも参加した。クリリスクでのこのイベントは、ユーリ・ガガーリンの宇宙飛行65周年を記念して行われたものだ。テスト項目には、1km走、シャトルラン、立ち幅跳び、前屈、懸垂、800m水泳などが含まれていた。
今年、アラ・マカロワさんはトライアスロンの大会に出場した。コルサコフ地区オホツコエ村で開催された「IRONSAKH-2026」は、10周年を迎える記念すべき大会だった。このイベントには、ロシア国内の19の地域と34の都市から180名以上のアスリートが集まった。彼女はアマチュア部門で出場したが、ライバルの中には特定の種目で「スポーツマスター」や「スポーツマスター候補」の資格を持つ選手もいた。
競技種目は750mの水泳、20kmの自転車レース、5kmのランニングで構成されていた。アラ・レオニードヴナさんは全力を尽くして銅メダルを獲得したが、2位とはわずか6秒差だった。
そして、クリル諸島の住民の例に漏れず、彼女も釣りを楽しんでいる。「あくまで趣味として、気楽に楽しむ程度ですよ」。何よりも優先しているのは、学校での仕事と家族のことだ。(sakh.online 2026/10/2)


