全ロシア海洋漁業研究所(VNIRO)は、南クリル海域(北方四島)における水産生物資源の体系的なモニタリングを行う「オケアニチェスカヤ研究所」の活動状況について報告した。同研究所の科学者らはイワシ、サバなどの重要な商業魚種に関するデータを収集している。
VNIRO太平洋支所の拠点の一つである「オケアニチェスカヤ研究所」は、南クリル海域において水産生物資源の体系的なモニタリングを行うために2019年9月、色丹島のクラボザボツコエ村(穴澗)に開設され、イワシ、サバ、サンマ、スケトウダラ、タラ、ニシンの資源量調査、漁獲物からの生物統計データの収集、さらには漁況予測の策定支援などを行っている。
こうした「オケアニチェスカヤ研究所」が必要とされた背景には、漁業を取り巻く状況の大きな変化がある。同研究所によると、2016年から2025年の間に、南クリル海域での漁獲量は年間11万7,000トンから37万9,000トンへと3倍以上に増加した。漁業活動の拡大を後押ししたのは、陸上加工施設の整備(色丹島、国後島、択捉島に、合計で1日あたり5,000トン以上の原料を処理できる工場が開設されたこと)や冷蔵船団の拡充だ。冷蔵船による原料供給量は40倍以上に増加した(2016年の3,000トンから、2022~2025年には14万5,000~19万5,000トンへ)。
2021年以降、同研究所の専門家は通年の監視活動を行っており、水産加工場で直接業務に従事している。現在、色丹島のクラボザボツコエ、択捉島のキトヴィ(内岡)に専門家が常駐し、国後島のユジノクリリスク(古釜布)でも季節に応じて専門家が活動し、冷蔵船や沿岸漁業による漁獲物を含む漁獲構成の分析を行っている。
各拠点で収集されたデータは、季節ごとの漁況予測の作成や許容漁獲量および推奨漁獲量の設定に活用されている。これは、科学的知見がいかにして資源の合理的利用と漁業効率の維持に貢献しているかを示す好例と言える。(fishnews.ru 2026/8/3)


