ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ロシアの裁判所で傭兵活動に関与したとして有罪判決を受けていたスティーブン・ハバード氏を釈放したと発表した。同大統領によると、この米国人はすでにサンクトペテルブルクのプルコヴォ空港に到着しているという。前日、ドナルド・トランプ氏は、ロシア側とこの米国人の処遇について協議し、帰国させるよう要請したことを明らかにしていた。Gazeta.Ruが、ハバード氏の経歴と彼にかけられた容疑について報じている。
2024年10月、モスクワ市裁判所は、この米国人に対し、一般処遇の矯正収容所(刑務所)での6年10カ月の拘禁刑を言い渡した。彼はロシア連邦刑法第359条第3項(武力紛争または軍事行動への傭兵としての参加)に基づき、有罪と認定された。判決言い渡し当時、72歳であった。
検察側の主張によると、ハバード氏は2022年2月、ウクライナのハルキウ州にあるイジューム領土防衛大隊と契約を結んだ。その際、月額少なくとも1000ドルの報酬が約束されていたという。裁判所の報告によると、ハバード氏は訓練を受け、武器と弾薬の提供を受けた上で、ウクライナ軍側で戦闘に参加した。2022年4月2日、ロシア軍の兵士によって拘束された。
2024年9月30日、ハバード氏は罪を認めた。判決が言い渡された後、弁護側は控訴する意向を表明した。しかし2025年2月、ハバード氏本人も弁護士も控訴の手続きをとっていなかったことが明らかになった。
スティーブン・ハバード氏とはどのような人物か
ロイター通信によると、ハバードは現在74歳である。ミシガン州ビッグラピッズで育ち、英語学の修士号を取得した後、長年にわたり教師として働いていた。
妹のパトリシア・ハバード・フォックス氏が同通信に語ったところによると、彼は約25年間日本に住んで英語を教えていた。その後キプロスへ移り、2014年にはウクライナ人のパートナーと共にイジュームへ移住したという。
ハバード氏の妹は、彼が自ら志願して戦闘に参加したとは考えにくいと述べている。ロシアの法廷で罪を認めたものの、弁護人を務めるマーティン・デ・ルカ氏は2025年6月、ロイター通信に対し、ハバード氏は戦闘への参加や軍部隊への所属を否定していると語った。弁護士によれば、ハバード氏は、ロシア軍の兵士たちによって自宅から連行されたと話しているという。
2025年1月、米国当局はハバード氏が「不当に拘束されている」と認定した。この認定により、米国政府は特別な外交ルートを通じて彼の解放を求めることが可能となる。また米国務省は、ロシア側が米国の外交官によるハバード氏との面会を許可していないと明らかにした。
捕虜の解放
10月20日、ABCニュースは、米政府当局者2名および交渉に詳しい情報筋の話として、米国とロシアが、ロシアの刑務所に収監されている数名のアメリカ人の解放に向けた合意に近づいていると報じた。
同局によると、交渉の主な焦点はハバード氏の解放であった。ただし、情報筋は、条件はまだ最終決定しておらず、合意が白紙に戻る可能性や、解放対象者のリストが変更される可能性もあると指摘した。
ロシアのセルゲイ・リャプコフ外務次官は、身柄交換の可能性に関する質問に対し、交渉は情報機関を通じて行われていると述べた。同氏はハバード氏の名前については認識しているとしたものの、この件に関する具体的な進展については明らかにしなかった。
ロイター通信によると、米大統領特使のスティーブ・ウィトコフ氏は、ウラジーミル・プーチン大統領との会談で、ハバード氏の解放について協議する予定であった。10月21日朝、ウィトコフ氏はサンクトペテルブルクに到着し、ロシア直接投資基金(RDIF)のキリル・ドミトリエフCEOが出迎えた。(gazeta.press 2026/10/21)

