英紙ガーディアンは9月10日、アフリカ諸国が大陸の実際の大きさをより正確に反映させるために提案した新しい世界地図において、クリル諸島(※北方四島を含む千島列島)がロシア連邦の一部として描かれていることに対し、日本政府が抗議したと報じた。
同紙によると、日本の木原稔官房長官は記者団に対し、「外交ルートを通じて地図のウェブサイト運営者に抗議し、内容の修正を求めた」と述べた。木原氏によれば、日本政府は、領有権や地名に関する日本側の認識と異なる表記が拡散するのを防ぐことを目指している。
9月4日、国連総会は地図上の世界の見え方を変更しようとするアフリカ諸国の提案を承認した。この決議には164カ国が賛成し、米国のみが反対した。日本も当時、この決議を支持していた。
同紙は、新しい地図ではアフリカが従来よりも大きく見える一方、北米や欧州は小さく見えると指摘している。
日本は1855年の日露和親条約(日露通好条約)を根拠に、クリル諸島南部の4島(択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島)の領有権を主張している。一方、ロシアの立場は、南クリルは第二次世界大戦後にソ連の一部となり、それらに対するロシアの主権は国際法上確立されており、議論の余地はないというものである。(インタファクス通信2026/9/10)

国連推奨「イコールアース」地図、北方領土を露領と同色で表記 誤認識広がる恐れ(産経新聞2026/9/9)
大陸の面積が従来の図法より正確な「イコールアース図法」の提唱者が公表した同図法の世界地図で、北方領土がロシア領と同じ色で描かれていたことが9日、分かった。イコールアース図法は、国連総会で日本を含む164カ国の賛成で使用を促す決議案が採択されたばかり。地図への注目が国際的に高まっており、誤った領土表記が世界に広がる恐れがある。
問題の地図は同図法を共同で提唱したトム・パターソン氏が「イコールアース・コム」で無料公開し、同図法の地図で最も簡易に入手できるもの。国連決議を働きかけた「地図を直せ」運動の公式サイトで「正しい地図」として紹介され、通販大手アマゾンでも印刷版が販売されている。
地図は北方領土以外の日本列島を青く塗る一方で北方領土のみロシアと同じ薄緑色で表示。ロシア語の島名をカタカナで表記し、「ロシアが実効支配し、日本が領有権を主張」と注釈している。
北方領土を「ロシアが不法占拠する日本固有の領土」とする日本政府の立場と食い違う。
地図では、ロシアが占領するウクライナ南部クリミア半島がウクライナともロシアとも違う無色で描かれている。ウクライナは表記が政府の立場と相いれないとして、4日の国連総会の採決を棄権した。
日本の外務省で国際機関を担当する専門機関室は産経新聞の取材に対し、「国連の採択は地図ではなく、地図の図法に関するものだった」とした上で「北方領土に関する政府の立場は不変で、必要に応じて対処する」としている。
パターソン氏は自身のサイトで米政府や民間の地図を参考にしたとしているが、米政府公表の日本地図は注釈付きで北方領土を日本に含めている。産経新聞はパターソン氏に質問状を送付しているが日本時間9日正午時点で返信はない。
イコールアース図法の提唱者、北方領土扱いは「名目よりも事実上」考慮 更新も排除せず
(産経新聞2026/9/9)
大陸の面積が従来の図法より正確な「イコールアース図法」共同提唱者の米地図製作者、トム・パターソン氏が9日夜、産経新聞の取材に応じ、同図法の世界地図で北方領土をロシア領と同じ色で描いたのは「名目よりも事実上の状態」を考慮したからだったと説明した。適切な指摘があれば地図を更新する可能性も排除しなかった。
クリミア半島の無色は「例外」
パターソン氏は「世界は大きく美しいが、散らかった場所でもあり、画一的なルールではすべての地政学的状況に対応できない」とした上で、北方領土の色について「承認するかはさておき、ロシアが北方領土を占拠しており、ロシアと同じ色とした」と説明した。島名を日本語からロシア語のカタカナ表記に変えたのは翻訳者の判断で、経緯は不明という。
また、ロシアが占領するウクライナ南部クリミア半島を両国のどちらでもない無色にしたのは、事実上の状態を優先するルールの「例外」だったと解説。ロシア語版ではロシアと同じ色で表示されているが、「ロシアの教師らが地図を国内で展示した際に当局とトラブルを抱えないようにする配慮だ」という。
台湾は中国と同色も、字体を…
台湾は中国と同じ色で表示されている一方、中国向け以外の地図では「台湾」の字体は他国の国名と同じものを使っており、「争いのある地域については例外も設けている」とした。
パターソン氏は地図は「常に更新されるもの」で「適切な助言は歓迎している」とも回答した。


