国後島のユジノクリリスカヤ湾(古釜布湾)で沈没船を撤去する作業が進められている。プーチン大統領が主導する国家プロジェクト「環境の健全性」の一環として、ロシア連邦政府およびサハリン州運輸省の指揮の下、極東漁業管理会社の参加を得て、2030年までにサハリンおよびクリル諸島(北方四島を含む千島列島)で14隻の沈没船を引き揚げる計画が立てられている。

30年前、クリル自然保護区の職員らがこの地域で調査を行い、1940年代後半以降にユジノクリリスカヤ湾で沈没したすべての船舶を記録・分類する作業を実施した。その際、船名、所有者、総トン数を記載した特別な地図が作成された。この詳細な地図をまとめたのは地元住民のドミトリー・ソコフ氏だった。当時、国後島の住民の間では、環境問題や生態系汚染に関する議論が活発に行われていた。合計50隻以上に及ぶ多数の沈没船の存在が、航行や漁業の妨げとなっていたのだ。そして今、湾内の沈没船を撤去する作業が開始されたことで、事態はついに本格的な進展を見せているようだ。

この撤去作業は、政府との契約に基づく事業と、民間企業の取り組みによって進められている。このプロジェクトは、極東地域の港湾および地域全体を発展させる上で、重要な節目となる。「クズネチニ・ドヴォル」社のプロジェクトマネージャー兼潜水専門家であるエフゲニー・チェルヴャコフ氏が、作業の進捗状況について次のようにコメントした。

「本プロジェクトでは、主に航行や漁業の妨げとなり、生態系を汚染し、沿岸地域の開発を阻害している船舶の撤去を行っています。こうした船舶の多くは50年以上も水中に放置されており、船舶の運航、環境、レクリエーション活動、そして土地開発に悪影響を及ぼしてきました。現在、14隻の沈没船を引き揚げる作業が進められており、これまでに7隻の回収が完了しました。この作業には、潜水チームや船舶引き揚げの専門家が携わっています。陸上では重機が稼働し、水中からの引き揚げにはサルベージ用ウインチ、滑車システム、潜水用機材などが使用されています。現在は、ユジノクリリスカヤ湾にあるさらに2隻を引き揚げるための準備作業が進められています。ロシア極東地域の厳しい気候や気象・海象条件を考慮し、引き揚げ作業の本格的な実施期間は夏から秋にかけて行われます。私たちは2026年末までにすべての作業を完了させる予定です」(kurilnews.ru 2026/7/31) 2



