ロシアのプーチン大統領の13日の北方領土訪問で、中露は結束して日本への圧力を強める構えを示した。中国の高市政権に対する強硬姿勢が、ロシアによる北方領土の不法占拠に拍車を掛けている。
「中露は第2次大戦の勝利の成果を否定し、ファシズムや軍国主義を復活させるあらゆる行為に断固反対する」
中国の呉江浩(ウージャンハオ)駐日大使と、ロシアのニコライ・ノズドレフ駐日大使は13日午後、在日本中国大使館のホームページ上で長文の共同寄稿を発表した。日本を念頭に「一部の国が軍備拡張を推し進めている」とも主張した。
北方領土には直接言及していない。だが、中国がプーチン氏の訪問を暗に支持し、高市政権を揺さぶろうとした可能性が高い。プーチン氏は訪問前日の12日、北方領土の領有は「第2次世界大戦の結果」であると正当化している。
中国関係筋は、露側がプーチン氏の択捉島訪問を「中国に事前に通告していた」と述べた。共同寄稿が発表されたのは、露大統領府がプーチン氏の択捉島訪問を公表してから約2時間後だった。発表のタイミングもあらかじめ計算していたとみられる。
北方領土の帰属について、中国はロシアの主張を公に認めていない。中国と旧ソ連が激しく対立していた1964年、毛沢東が日本の社会党訪中団との面会で、「(北方領土は)あなたたちに返還されるべきだ」と述べたことがある。
習近平(シージンピン)国家主席とプーチン氏の関係が緊密になった近年は、「中立」の立場を示す場面が目立つ。
2021年7月、ミハイル・ミシュスチン露首相の北方領土訪問後、中国外務省報道官は「日露間の問題であり、協議によって解決されるべきだ」と述べた。
今後の中露の出方も懸念される。中国関係筋によると、露側が北方領土の経済開発を巡り、中国企業に大規模投資を求めるとの見方がある。中露両軍は日本周辺で爆撃機による共同飛行訓練や艦艇による訓練を繰り返している。将来、中国軍が北方領土でのロシア軍の訓練に参加するシナリオも取り沙汰されている。(読売新聞オンライン2026/8/15)


